AKB48の末妹グループで福岡・博多を本拠に活動しているHKT48が20日、「スキ!スキ!スキップ!」でCDデビューし、東京・稲城市のよみうりランドで初の全国握手会イベントを行った。約5000人のファンが駆け付ける大盛況で、AKB48から昨年、移籍した指原莉乃(20)らは感極まって涙を流した。同日、発表されたオリコンチャートでは初登場1位。順調な滑り出しを見せた。

 デビューとは思えない盛り上がりだった。デビュー曲「スキ!スキ!スキップ!」のイントロが流れ始めると、会場を埋め尽くしたファンは、きれいにそろった大きなコールを送った。約1000キロ離れた博多からやってきた16人娘は、声援に後押しされて笑顔をはじけさせた。

 歌い終わると、指原が思わず目頭を押さえた。花粉症ではない。感極まって泣きだしてしまったのだ。「絶対に人が来ないと思っていました。そうしたら、座りきれない人がいて…」。隣の田島芽瑠(13)も、思わず「だって、さっしー(指原)が泣くから」ともらい泣きした。

 11年11月、国内4番目の48グループとして、福岡・博多に誕生した。国民的アイドルの妹分とあって、CDデビュー前から注目された。専用劇場、冠番組「HaKaTa百貨店」(日本テレビ系)を与えられた。恵まれた環境にいながら、メンバーは日々、葛藤していた。結成時からの中心メンバー児玉遥(16)は「毎日、悩んでいました。全国区になるには、先輩たちより頑張らないといけないから」と振り返った。テレビ番組への出演機会があれば、誰もが強く自己アピールする。強い積極性、選抜メンバーの平均15・6歳という若さ、博多美人を多くそろえたルックスレベルの高さで、早くもグループのカラーを確立させつつある。

 指原は「(オリコン1位を)取りたい気持ちはありますけど、言うとそう書かれちゃって怖いから言わない!」とビッグマウスを封印。所属レコード会社によると、NMB48が記録した女性アーティストとしてのデビューシングル初週売り上げ記録、約21万8000枚の更新を狙っていたが、発表されたオリコンチャートでは、20万5278枚で1位に初登場。初日にして記録に肉薄し、快進撃を予感させるスタートになった。【森本隆】