歌手石井竜也(51)が、15年ぶりに映像監督のメガホンを握ったことが1日、分かった。今日2日発売のシングル「はなひとひら」のプロモーションビデオ(PV)とショートムービーを撮影。96年の映画「ACRI」以来監督復帰した。

 昨年にデビュー25周年を迎え「久々にまた映画監督をしたいなぁ」と漏らしていた石井は、今年第1弾の新曲でPVを自ら撮影することを決意。当初はイメージPVだけのはずだった。ところが、企画会議に熱が入ると「こうなったら、京都太秦の撮影所で本格的に撮ろうよ」と、セリフ付きの時代劇のオリジナル脚本を書き始めた。俳優はオーディションで選考。1月中旬に太秦の時代劇撮影所や鴨川、三条大橋、二条城などオール京都ロケで撮影し、本格的な短編映画「笹舟-SASABUNE-」まで製作した。若い武士と帯作り工房に奉公した娘の、身分違いの淡い恋物語だ。

 石井は94年に「河童」、96年に「ACRI」とSF映画を撮影。絵画など芸術家としても活躍するだけに、映像美にこだわりすぎて製作費を多大に掛けてしまうことから、以降は撮影現場から距離を置いていた。完成度の高さに「皆さんのおかげで最高の絵が撮れました」と大満足。新曲も、昨年11月に世界文化遺産の京都上賀茂神社のプレミアライブで歌ったライブ版。「どうぞ、どこかでお聴きになったらしばらく聴いてみて下さい。懐かしさや忘れていた物が帰ってきます」と自信を見せた。