第53回ブルーリボン賞(主催東京映画記者会=日刊スポーツなど在京スポーツ7紙の映画記者で構成)の授賞式が15日、東京・銀座ブロッサムで行われた。主演男優賞の妻夫木聡(30)、新人賞の生田斗真(26)は、都内で夜に開演する舞台が控えており、タイムリミットぎりぎりに会場を飛び出すなど、大忙しだったが、司会の笑福亭鶴瓶、綾瀬はるかとともに爆笑の授賞式を繰り広げた。

 妻夫木は池袋で「南へ」、生田は渋谷で「ミシマダブル」と、2人とも舞台出演を控えていた。授賞式のスタートは午後5時、冒頭に登壇し表彰が終わったら、約20分で会場を飛び出す予定が組まれていた。人気俳優2人らしい授賞式だった。

 ヤキモキしていた妻夫木は、自分を紹介される際に「出ていいですかー、僕?」と客席から呼び掛け、鶴瓶も「まだまだです!!」と答えるなどして、表彰が始まる前から笑わせた。

 本人も周囲も時間を気にしつつの表彰だったが、爆笑の連続だった。表彰が終わり鶴瓶が舞台に触れると、席に戻ろうとしていた妻夫木がマイクに駆け戻り「3月いっぱいまでやってます!」。続いて生田が登壇し、まずは「舞台は3月2日までやってます!」と、妻夫木のようにお知らせを叫んで笑わせた。

 笑わせつつも、作品や受賞に関しては2人とも熱い思いを語った。妻夫木は「鶴瓶さんに電話もらったんですよね、『これはええで』って。自分のことのように喜んでくれた鶴瓶さんの前でブルーリボン賞をもらえて本当にうれしいです」と話し、生田は「賞をいただくということには無縁の男だと思っていました。映画の道に引き込んでくださった皆さん、父、母、かわいいかわいい弟、ファンの皆さんに感謝します」と、丁寧に感謝を述べた。

 新しいスタイルの演技を確立した妻夫木と、昨年映画に進出した生田。珍しいツーショットになかなか写真撮影が終わらない。タイムリミットが近づき関係者も焦り始めた。妻夫木も鶴瓶に「巻く(早めに進行すること)って言ったのに、押してますよ!!」と突っ込んで、最後まで笑わせた。

 表彰が終わると妻夫木も生田も車に飛び乗り、会場を後にした。2人は互いの舞台を見に行くことを約束し合ったという。ブルーリボンが結んだ俳優の縁ができたようだ。【小林千穂】