今月25日に6回目の命日を迎えるマイケル・ジャクソンさんが、かつてカリフォルニア州サンタバーバラ郊外に所有していた自宅兼遊戯施設「ネバーランド」が、1億ドル(124億円)で売りに出されていることが明らかになりました。2009年にマイケルさんが亡くなって以降も、歴史的重要性を尊重してカリフォルニア州が州立公園にする計画案やレディー・ガガが購入を計画していると報じられるなど、ネバーランドの存続を巡っては様々な報道がなされてきました。また、マイケルの残された3人の子供たちが、「いつか大人になったら買い戻したい」と語っていると伝えられたこともありました。

 1987年にマイケルさんが2800万ドル(34億7200万円)で購入したネバーランドは、東京都千代田区とほぼ同じ面積に値する2600エーカーの敷地内に列車が走り、遊園地や動物園、50席を有する映画館などもあるワンダーランドとして知られていました。6つの寝室がある母屋の他、ゲストハウスやテニスコート、プール、などもあり、マイケルさんはここに15年間暮らし、恵まれない子供たちを頻繁に招きいれていたことでも知られていました。しかし、93年に少年への性的虐待疑惑で訴えられて多額の負債を抱えたことが原因で、08年に投資会社に売却。現在はNEVERLANDの文字がデザインされた花時計と列車の駅と線路は残っているものの、動物はリャマを1匹残す以外は何もおらず、遊戯施設などもすべて撤去されてしまったようです。門や自宅にあった調度品などもすでに競売にかけられているので、建物の外観以外はもう昔の面影はほとんど残っていないのかもしれません。

 「ピーターパン」に登場する大人にならない島に由来してマイケルさんが作り上げたネバーランドは、世界中のファンにとって「キング・オブ・ポップ」と呼ばれたマイケルさんの聖地のような場所。かつてエルビス・プレスリーが住んでいた邸宅「グレイスランド」のようにそのまま保存して博物館にすることを望む声も多いようですが、それも新たな買い手次第なのが現状です。ガガ以外にも、ビヨンセ夫妻も夢の国の購入を希望していると伝えられたこともあり、ハリウッドセレブたちもこの物件に改めて興味を示していることでしょう。夢の国の行く末に、再び注目が集まっています。

【千歳香奈子】(ニッカンスポーツ・コム/芸能コラム「ハリウッド直送便」)