コンペティション部門出品作「しびれ」(内山拓也監督、9月25日公開)主演の北村匠海(28)は「コンペティション部門に選んでいただき、光栄でございます。映画祭に呼んでいただくことで、僕らの日々が報われた思いがします」と感謝した。

北村が演じた大地の亜樹を演じた宮沢りえ(53)は「とってもお日柄がいい日に、こんなすてきな賞があって、参加できてうれしく思います。親子をやったんですけど、とてもとても大切に1シーン、1シーン紡いだ作品、耳と心を澄まして、私たちの親子に集中し、作品を楽しんでもらえたらなと思います」と呼びかけた。

「しびれ」は、2月に世界3大映画祭の1つ、ベルリン映画祭(ドイツ)パノラマ部門に出品された。北村が青年期を演じた大地は、どこにも居場所がない孤独な少年期をくぐり抜け、自分のもとを離れた父への静かな怒り、女手一つで自分を育てた母亜樹に対し、憎しみと愛、相反する感情に揺れる。亜樹は水商売で日銭を稼ぎ、世間的には育児放棄と呼ばれるような生活を送るものの、細部に息子への確かな慈愛がにじむ。幼少期の大地が言葉を失うきっかけとなる暴君のような姿から一転、時が経ち、かつての威厳が消え、悲哀に満ちた余生を送る大地の父・大原を永瀬正敏(59)が演じる。