ここハリウッドでも日本と同様にたくさんの二世スターが活躍していますが、そんな中でも最近メキメキと頭角を現し、「かっこいい!」と話題騒然なのが、クリント・イーストウッドを父に持つスコット・イーストウッド。公開中のブラッド・ピット主演の「フューリー」(日本公開11月28日)に出演し、父親譲りのハンサムな顔立ちとマッチョな肉体で多くの女性ファンのハートを虜にしています。

 昨年9月にハイソサエティー向けのライフスタイル誌「タウン&カントリー」でモデルを務め、ムキムキな上半身を披露。その直後からそのルックスが注目の的となり、名前が一気に知られるようになりました。スコットはイーストウッドと最初の妻で元客室乗務員の女性との間の長男ですが、これまでほとんど彼の名前を知る人はいませんでした。それは大物スターを父に持ちながらも、これまで父の七光りで派手な活躍をすることはなく、10年以上にわたる下積み生活を送ってきたのと、デビュー当初は母親の姓リーヴスを名乗っていたから。大学時代からモデルとして活動を始め、父イーストウッドの監督作品「父親たちの星条旗」(06年)で俳優デビュー。その後も父の作品「グラン・トリノ」「インビクタス/負けざる者たち」などに小さな役で出演していますが、特別扱いは一度もなかったと語っています。

 「フューリー」は第二次世界大戦末期に「フューリー」と名付けられた戦車でドイツ軍にたった5人の米兵が戦いを挑む物語で、スコットはピットとシャイア・ラブーフらと共に5人の兵士の一人を演じています。本作で一気にブレイクしたスコットは、来年公開予定のラブストーリー「ザ・ロンゲスト・ライド」や「ディアブロ」「マーキュリー・プレインズ」など主演作が続々と公開予定。父の才能とルックスを引き継ぐ硬派な二世俳優スコットの今後の活躍から目が離せそうにありません。

 ハリウッドではこのところ、二世たちのデビューが相次いでいます。デービッド・ベッカムとヴィクトリア夫妻の次男ロメオがバーバリーのモデルを務めて話題になったのに続いて長男も雑誌でモデルデビュー。「007」シリーズのボンド役で知られるピアース・ブロスナンと2人目の妻との間の息子ディランもモデルデビューを果たすなど、二世タレントたちの躍進が目立っています。そんな中でも群を抜くサラブレットのスコットは、今後日本でも大ブレイクする日が近いことでしょう。

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