レオナルド・ディカプリオ(41)が、ついにオスカーを受賞する機運が高まっているようだ。これまで4度、オスカー候補となり、昨年は、映画「ウルフ・オブ・ウォールストリート」(13年)で惜しくも受賞を逃しているレオだが、新作「レヴェナント:蘇りし者」(12月25日全米公開)の試写が行われた後、多くの批評家たちによる「レオが受賞するなら、今でしょ?」という意見がメディアを賑わせている。
作品の上映時間が長いこと、暴力的シーンが見るに耐えないなどの意見もあるにせよ、レオが持つスターパワー、4度におよぶノミネート、さらに今年、オスカー最有力候補とみなされていることなどを考えると、「たぶんいけるのでは?」と思わずにはいられない。
「レヴェナント」は、映画「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」(14年)で今年、アカデミー監督賞を受賞したアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督の作品。実話を基にした同作品は、仲間に裏切られ、荒野に置き去りにされたハンターが復讐(ふくしゅう)を誓い、厳しい大自然の中で危険にさらされながらもサバイバルする物語だ。
主人公は巨大なクマに襲われ、首にケガを負うため、言葉よりも、フィジカルでサイレントな演技が要求される。氷点下の寒さの中での撮影は過酷さを極め、凍った川を泳いだり、生の子牛の肝臓を食べるシーンもあるが、レオは全力で難役に体当たりしている。レオ自身に、「今までで最高に困難な撮影だった」と言わしめた作品だ。
野生動物との闘い、血まみれの復讐劇、大自然の中での壮絶なサバイバルなど、見どころが多い同作を、「完全な傑作」「どこから見てもオスカー受賞作品」と太鼓判を押す批評家も多いが、問題は投票者であるアカデミー会員らにアピールするかどうかだ。
過去の受賞作品を見てわかる通り、アカデミー会員は俳優が芸を尽くし、限界に挑戦している姿を見たがる。「レヴェナント」はいわば、アカデミー会員好みの作品といってもよく、過去の受賞作「ダンス・ウィズ・ウルブス」(90年)や「ブレイブハート」(95年)級の手応えを感じさせる作品だ。
レオが今作品で全力を尽くし、最高の演技を見せている一方で、「今年の受賞レースは競争がそれほど激しくない」と見る批評家もいる。レオのライバルとみなされるのがジョニー・デップとマット・デイモンだが、この2人も最有力候補というほどではないというものだ。今年の受賞レースを先駆けているのは、断トツでレオとの意見が圧倒的に目立っている。
レオ自身も40代に突入し、俳優として一番脂がのっている時期。アカデミー賞を受賞するための絶好の”スイート・スポット”に立たされた、といっていい。過酷な撮影に耐えた今のレオは、「ベストは尽くした。あとは運を天にまかせるしかない」という気持ちかもしれない。【鹿目直子】(ニッカンスポーツ・コム/芸能コラム「SPY!CELEBRITY」)



