漫画家水木しげるさんの作品の集大成「水木しげる漫画大全集」(講談社)の刊行が始まった。

 「生まれた時からファン」で、弟子を自任する作家京極夏彦さんが責任監修した。代表作「ゲゲゲの鬼太郎」をはじめとする作品について「水木作品の九割九分は不景気ですね。貧乏、もてない、才能がない…、そういう人しか出てきません。でも、絶望はない。戦地で九死に一生を得た水木さんだからこそ、『生きているだけですばらしい』とポジティブになれる。今の時代にこそ読んでほしいですよね」。

 作者本人も把握しきれない発表作品の全体像を調べ上げ、収録方針を決定。原稿が失われていれば、雑誌から画像を取り込んで汚れを消すなどの地道な作業が続いた。

 ドラマ「ゲゲゲの女房」でも描かれたように、大変な貧乏時代を過ごしていた水木さんは漫画誌「少年マガジン」(講談社)からの依頼をきっかけに売れっ子漫画家になった。「“恩人”の講談社から全集が出ることを水木さんは非常に喜んでくれた。師匠から『やってほしい』と言われれば、弟子はやるしかないでしょう!」と力を込めた。

 第1期は全33巻。2014年9月まで、毎月3日に2冊ずつ発売予定。