司会者、俳優として活躍した俳優の愛川欽也(あいかわ・きんや)さん(本名・井川敏明)が15日に死去していたことが16日、分かった。80歳だった。

 愛川さんの妻でタレント、うつみ宮土理(71)は、最期まで愛川さんの回復を信じ、懸命に看護していた。愛川さんの容体が急変した今月に入り、ニッポン放送の番組収録をすべてキャンセル。自ら企画した9月のシャンソンイベントもキャンセルした。長期の看病を覚悟していたとみられる。

 子供には恵まれなかったが、愛川さんを全力で愛した。公の場で「いい人と結婚できて良かった」「本当にすてきな人に巡り合えた」とのろけ、友人らにも「キンキンが元気だから、私も元気に好きなことができる」と話していた。最近は容体が悪化した愛川さんの介護用ベッドに自分のベッドをつけ、片時も離れることはなかったという。

 どんなに忙しくても、朝食は必ず愛川さんのために作った。愛川さんの体を気遣い、山芋と野菜を混ぜ合わせて焼く低カロリーメニューも考案した。愛川さんはうつみが作る食事に注文を付けることはなく、いつも「ごちそうさん」と笑顔を見せていたという。

 3月11日には公式ブログに、「キンキンが食べたいものリスト」を掲載。愛川さんが直筆でとんかつ、カニチャーハン、すき焼き、バターライスなど10品を書いたもので、うつみは「私が全部作ります」と書き込んだ。愛川さんはその後、同月28日放送のテレビ東京系「出没!アド街ック天国」にビデオメッセージを寄せ、「のんびりやっていこうかと思っています」と降板について初めてコメント。それが地上波テレビ最後の出演となった。