お笑いコンビのアメリカザリガニと元JUDY AND MARYのギタリストで音楽プロデューサーのTAKUYA(44)を中心に結成されたエンターテインメントユニット「商店街バンド」が19日、東京・渋谷eggmanで2日間公演の初日を開催した。

 「商店街バンド」は、商店街でありそうなことをネタにしたシチュエーションコメディーと、ライブを融合させたエンターテインメントだ。

 この日はアメリカザリガニ柳原哲也(43)の父親が亡くなり、平井善之(42)演じる葬祭業者に依頼し、音楽葬で送るという設定の新ネタを披露した。

 柳原とのボケとツッコミに絡めて、TAKUYAらバンドメンバーが「悲しみが止まらない」「お祭りマンボ」「あしたのジョー」「ルパン三世のテーマ」「紅」「Burn」など洋楽、邦楽、アニソンなどを問わず、シチュエーションに最適の音楽を演奏。

 柳原は「紅」が流れた際は、激しく熱唱した。音楽はネタ作りする中で、入念に話し合って選ぶ。ただメンバーが多忙で練習時間がなく、バンドの演奏練習は3日、アメリカザリガニを交えた通し練習は2日間、合計6時間程度しかできなかったという。

 バンドメンバーは、TAKUYAを筆頭に元JUDY AND MARYのドラム五十嵐公太(52)、8月に20年ぶりの再結成を果たしたREBECCA(レベッカ)のバックギターとしても活動した友森昭一(49)音楽プロデューサーのnishi-ken(34)、TAKUYAのバンドTAKUYA and the Cloud Collectorsのメンバー伊藤千明と、音楽業界で名をはせる面々がそろう。

 それだけに、山下達郎がデビュー時に所属したバンド、シュガー・ベイブの代表曲「ダウンタウン」をはじめ、原曲からの再現率を含めて演奏のクオリティーは高い。TAKUYAは「楽器の編成は違っても、できる限り1から再現しようとしています。一方、うちならではのアレンジもある」と胸を張った。

 日本テレビ系「アメリカ横断ウルトラクイズ」や、フジテレビ系「ゴールデン洋画劇場」をネタにしたくだりでは、テーマソングからクイズでボタンを押す音、正解、不正解の効果音まで再現。柳原は「効果音までバンドで演奏する。楽曲自体がボケとツッコミになっている」と強調した。

 きっかけは、親交が深かったアメリカザリガニとTAKUYAが約8年前に、お笑いと音楽の融合ができないかを考え始め、毎年恒例のTAKUYAのバースデーライブの1コーナーとして始めたことだった。柳原の結婚式を音楽で盛り上げるというネタから始まり、選挙出馬、ご当地ヒーローなどネタを重ねてきた。最初はネタが30分だったが年々、尺が延び、1時間になった昨年の段階で1つの企画として独立。それまでは年2回公演だったが、好評のため昨年は20回、公演を行った。

 JUDY AND MARYとして東京ドームの舞台にも立ったTAKUYAは「(五十嵐)公太さんとJUDY AND MARYでデビューした時のワンマンライブの会場が、ここeggman…またスタートという感じ。東京ドームだと、柳原のツッコミが響きすぎるので(日本)武道館ですね」と宣言。

 平井が「ついていきます。目指しましょう」と気合を入れると、触発されたか「ラスベガス公演まで目指しましょうか…夢は大きいですけど」とぶち上げた。

 柳原は「いろいろやっていきたいけれど…来た人が楽しんでもらいたい。おじいちゃん、子どもたちも全員…ね」と、年齢を超えた普遍的な笑いを目指すことを誓った。

 この日のオープニングアクトには、よゐこ浜口優(43)が率いる、ブサイクとビジュアル系が融合した“ブジュアル系”エアバンド「禿夢(はげゆめ)」が登場した。