米俳優レオナルド・ディカプリオ(41)主演の映画「ウルフ・オブ・ウォールストリート」(13年)に多額の出資をしたレッド・グラナイト・ピクチャーズが、マレーシアの歴史上最大の公金横領に関与している疑惑が浮上してから3ヶ月、ディカプリオがこの件について初めてコメントした。

 代理人は、今年7月にレッド・グラナイト・ピクチャーズがマネーロンダリング(資金洗浄)スキームで流用された疑いのあるマレーシアの政府系ファンド、ワン・マレーシア・デベロップメント(1MDB)の資金1000ドルを映画製作に充てたとして民事訴訟を起こされたことで米司法省が調査を始めたとの報道があるまでディカプリオはこの件については何も知らなかったとコメント。

 「発覚後は司法省に連絡して自身ないし、レオナルド・ディカプリオ財団が贈与や寄付を受け取っていないか確認し、受け取っていた場合は即座に返金するよう代理人に指示した」と明かした。ディカプリオは1MDBの資金を流用してレッド・グラナイトに提供したとされるマレーシア人投資家らと共に2012年にラスベガスに出かけてギャンブルしていたことなども明らかにされており、13年の誕生日パーティーでも寄付を目的に売りに出された高額なシャンパンを彼らが購入したと伝えられている。

 マーティン・スコセッシ監督がメガホンをとり、実在した米証券トレーダーの半生を描いた同作では、ディカプリオが2500万ドルの出演料を受け取っている。全世界で4億ドルの興行収入を記録するヒットとなり、アカデミー賞作品賞、主演男優賞など主要5部門にノミネートされ、ディカプリオはゴールデン・グローブ賞主演男優賞に輝いている。(ロサンゼルス=千歳香奈子)