主演映画「人魚の眠る家」(堤幸彦監督)がヒット中で、篠原涼子(45)が登場するイベントを何度か取材した。
東野圭吾氏の原作は脳死状態の娘を巡る医療ミステリーで、劇中の篠原は終始シリアスな演技に打ち込んでいる。が、イベントでは彼女の天然ぶりばかりが印象に残った。
天然キャラと言えば、綾瀬はるか(33)が頭に浮かぶが、彼女のそれが浮世離れしているのに対し、篠原には浮世そのもののおかしさがある。「主婦感覚」のようなものが随所に出てきて笑いを誘うのだ。
先日発表された報知映画賞主演女優賞は篠原にとって初の演技賞だ。舞台あいさつ中にその感想を求められると「ぶっ倒れるかと思いました」。会場がどっと笑うと「いやいやホントに驚きました」と言い直したが、この最初の表現など、家事に子育てに大忙しで、いつも本音を打ち明け合っているママ友たちがいかにも使いそうな言い回しだ。
主題歌を担当した絢香(30)が目の前でフルコーラスを披露すれば「いやあ、やっぱり本物は違います。涙がこぼれそうになりました。最近、私もカラオケで良くこの歌を歌うんですけど、全然違いますね。思い出したら恥ずかしくなっちゃった」。
歌い込んだ持ち歌だから全然違うのは当たり前だが、「本物は違う」ってあなたもプロの歌手でしょうよ、と突っ込みを入れたくなる。文字通り一般人の感覚でカラオケを楽しんでいる光景が頭に浮かんでくる。
主演賞受賞の喜びは「素晴らしいスタッフ、キャストみなさんのおかげでいただけたと思っています」と結んだ。受賞スピーチの決まり文句もこの人が言うと本当にそう思っているんだなと不思議に染みてきた。
本物の天然の強みだろう。



