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 JAPANのリーダーYOSHIKIが、甲子園初出場の母校、安房(あわ=千葉)の応援のため全校生徒約800人をアルプス席に招待することが14日、分かった。創部108年目の快挙の差し入れとして、全校応援に必要なバス料金を試算し、推定総額1000万円の寄付した。この日、組み合わせ抽選会が行われ、安房は22日の大会初日第3試合で城北(熊本)と対戦する。28日から3日間、再結成の東京ドーム公演が控えるが「強引にでも行きたい」と観戦を希望している。

 米ロサンゼルスに住むYOSHIKIも、母校の甲子園初出場に動かずにいられなかった。かつて、ドラムセットを寄付したことはあったが「何かの形で応援したい」と考えたのが全校応援だった。YOSHIKIは「気持ちです。母校の甲子園出場はめったにあることではありません。僕が在学中に出場していたら、絶対に見に行きたいと思うので、1人でも多くの生徒が行けるように協力したい」と希望。自ら応援バスの料金を試算し、この日までに生徒の甲子園応援を支援する「安房高を甲子園に送る会」に相当額を寄付した。

 YOSHIKIは金額を明かしていないが、安房の今年の卒業生を含む全校生徒は834人で、大型バス20台は必要になる。一般的に、首都圏から甲子園応援のためのバスチャーター代は1台35万円前後で、高速料金、駐車料金を含めると約40万円となる。20台以上なら少なくとも800万円以上が必要で、寄付の総額は推定で1000万円となる。野球部出身のプロ野球関係者が母校の甲子園出場を祝い、道具や飲み物を差し入れすることは多いが、芸能関係者としては異例の祝福となった。

 この時期、YOSHIKIは10年ぶりに完全復活するX

 JAPANの東京ドーム3日連続公演のため帰国。安房の同級生だったボーカルTOSHIと合流して、最後の打ち合わせを行っている。帰国中に母校の晴れ舞台があることに不思議な縁を感じており、本来なら公演目前の神経質な時期だが、後輩の活躍を励みにしようとしている。「思ったよりもリハーサルの準備が大変になってきていて。すごく難しいかもしれませんが、強引にでも応援に行きたいと思ってます」とあらためて、観戦を希望。混乱を避けるため、生徒が陣取るアルプス席を訪れるかは未定だが、後輩の奮闘を肌で感じたいようだ。

 安房の鈴木定一教頭(55)は「大変、素晴らしい申し出で喜んでおります。試合が土曜日ということで、かなりの生徒が応援に行けると思います」と感謝する。安房には2人の先輩にちなみ、応援曲にX

 JAPANのヒット曲「紅」を演奏する伝統があり、甲子園でも披露する。YOSHIKIは「デビューに向かって、まだ先が見えていない不安な時期に書いた曲だった」と振り返る。若き日の思いが詰まった曲が20年以上を経て、甲子園に鳴り響くことに「びっくりしちゃう。すごいなあ」と感激している。