<第11回日刊スポーツ・ドラマグランプリ受賞者発表>

 「第11回日刊スポーツ・ドラマグランプリ」の主演女優賞はボーイッシュな“男子高校生”を演じた女優堀北真希(19)が獲得した。フジテレビ系「花ざかりの君たちへ~イケメン♂パラダイス~」で、たくさんのイケメンに囲まれ、プレッシャーを受けながらの好演。初の“男役”を「とろけそうな思い」で演じきった。

 堀北が演じたのは男子校に男装して編入する少女・芦屋瑞稀。正体こそ女性だが、ドラマのほとんどを男子高校生の服装で演じきった末の受賞だ。「自分が本当にいいものになると信じて頑張ったものを認めてもらうことに意味があると思います。自分が発信したものが、支持をいただけてうれしい。幸せな気分です」と笑顔を見せた。

 原作は人気コミック。「読んだことがあったので、設定が面白いなとは思っていました。女の子にとっては、ワクワクするドラマですよね」と振り返る。次に思ったのは「じゃあ、単に髪の毛を短く男の子みたいにすれば成り立つのかな」。そんな悩ましさを感じながら役作りに取り組んだ。

 出演者の大多数が男、男、男。しかもイケメンぞろい。「最初の本読みのときクラスのみんなにワーッと取り囲まれた。男の集団の中で、自分だけ女が1人。ここに入っていけるのかなという感じでした」。イケメンに加え、しかも、全員が年ごろ。そこに堀北は1人ぼっち。どう考えても危険、大変だ。「すごく気をつかってくれました。だから逆に、自分で壁を作らないように心掛けました。本当は人見知りなんですけどね(笑い)」。

 演じるうちに、ドラマのストーリーと、収録現場での流れがシンクロしたという。「私自身が男ばかりの共演者になじんでいくのと、瑞稀が男装して男っぽくなっていくのが似ていたんですよね。最初の恥ずかしい気持ちが、途中からは全然平気になっていました」。

 「花ざかりの-」はスペシャル版が収録済み。共演者にも恵まれた。瑞稀が思いを寄せる佐野泉役は小栗旬(25)。「小栗さんは舞台と並行して、このドラマを収録していました。私なんか、ドラマだけでエネルギー消耗しちゃうのに、あの集中力と粘りはすごい」。また、このドラマでブレークした生田斗馬(23)には「すごく気をつかってくれる人なんです。私とみんなとの懸け橋になってくれました」。

 昨夏は、日本の歴代最高気温40・9度を観測するほどの酷暑だった。「暑い中の撮影で胸を締め付けるのが大変でした。去年の夏は本当にとろけそうな思いでした」。笑えて、泣けてそして熱い。見る人に、そんなとろけそうな喜びを与えてくれた。【小谷野俊哉】

 ◆堀北真希(ほりきた・まき)1988年(昭63)10月6日、東京都生まれ。03年に映画「COSMIC

 RESCUE」のヒロインで女優デビューしBS―i「ケータイ刑事

 銭形舞」で連続ドラマ初主演。05年、日本テレビ系「野ブタ。をプロデュース」と映画「ALWAYS

 三丁目の夕日」がヒット。06年にTBS「鉄板少女アカネ!!」で主演。今年はNHK大河「篤姫」に出演。160センチ、血液型B。