お笑いタレントたむらけんじ(35)が経営する「炭火焼肉たむら

 名古屋店」(同市中区)で食中毒が発生、名古屋市は28日、同店を営業禁止処分とした。名古屋市食品衛生課によると今月14日、同店を利用した男性客4人が体調不良を訴え、3人から食中毒の原因となるカンピロバクターが検出された。たむらは大阪蒲生本店、大阪南船場店、神戸・須磨海の家店の3店についても、名古屋店が再開できるまで営業を自粛することを決めた。

 名古屋市によると、4人は18~21歳の男性でアルバイト仲間。14日に同店で生レバー、ユッケなど生肉を含む料理を食べ16日午後から体調を崩した。下痢や発熱・腹痛などの症状を訴え、3人から細菌「カンピロバクター」が検出された。1人は入院したが、いずれも快方に向かっているという。この日、同店には204人の客が訪れていた。

 同市は食品衛生法に基づき、再発防止策が確認されるまで同店を営業禁止処分とした。一方、たむらは「炭火焼肉たむら」大阪蒲生本店など3店舗についても営業の自粛を決め、名古屋店再開まで店を休むことを決めた。

 たむらはこの日、毎日放送主催のイベント「オーサカキング」(大阪城公園)で高校生がカレーの味を競う「カレー甲子園」の司会を務める予定だったが、急きょ出演を見合わせた。

 「炭火焼肉たむら」は06年12月、大阪市城東区に第1号蒲生本店をオープン。昨年11月に同市中央区に2号店を開業し、問題の名古屋店は先月6日にオープンしたばかりだった。繁華街・栄の複合施設の一角で、人気ファッションデザイナーが手がけたVIPルームも完備。同じフロアにはお笑いタレント木村祐一(45)が手掛けた居酒屋があり、韓流スター、ペ・ヨンジュン(35)プロデュースのレストランも9月にオープンする予定。この日、木村の居酒屋で食事していた女性は「(炭火焼肉たむらは)いつも予約でいっぱいだった。再開したら行きたい」と話した。

 たむらけんじは28日夜、大阪市中央区の吉本興業で会見し、神妙な面持ちで「おいしいご飯を食べるという楽しみを裏切り、4人の方に苦しい思いをさせ、申し訳ありません」と頭を下げた。

 たむらは上下グレーのスーツ姿で、約30分の会見中、直立したまま。たむらによると、今月19日に4人のうち1人から電話で連絡を受け、保健所などの検査から25日にほぼ同店の生肉が食中毒の原因と分かり、27日から営業を休止した。たむらは「生肉に対する僕の認識の甘さが原因です。カンピロバクター菌も、初めて知ったぐらい。従業員は僕が口をすっぱくして、衛生管理の徹底を言っているので、しっかりやってくれていた」とうなだれた。

 タレント活動については自粛する予定はなく、吉本も「処分は考えてない」という。会見の最後に「一から頑張りたいので応援してください」と締めくくった。