NHKは8日、09年の大河ドラマ「天地人」の新たな出演者を発表した。主演の妻夫木聡(27)が演じる直江兼続の親友石田三成役の小栗旬(25)は同局で行われた会見で、96年の大河ドラマ「秀吉」に出演し、三成の少年時代(佐吉)を演じていたと明かした。深田恭子(25)上地雄輔(29)城田優(22)ら大河初出演となる“旬”の3人も発表された。

 63年放送開始の大河ドラマの歴史でも、おそらく初めてだ。

 出演者発表の会見で小栗は、96年の「秀吉」で、石田三成の少年時代(佐吉)を演じていたと明かし、「今になって三成というお話をもらって、自分の中では勝手に運命とか因縁とか、そんなことを思いました。これをやるための佐吉だったのかなあ…」と話した。当時のことは「そのころはあまりに子どもだったので、一生懸命やったという思いしかない」というが、約13年の時を経て、三成を演じることには、感慨深いものがあるようだ。

 過去の大河では、02年「利家とまつ」と06年「功名が辻」で、前田利家を演じた唐沢寿明のように1人の俳優が同じ役で複数回出演した例はある。小栗のような「少年→大人」のケースは、NHK広報部がまとめる資料にはない。小栗の発言を聞いた、大河のベテラン広報担当者は「知らなかった。今、初めて聞いた」と驚いた。内藤慎介チーフプロデューサーは「意図して選んだわけではない」と話した。

 小学校のころから児童劇団に所属した小栗は大河ドラマと縁がある。13歳のころ、95年「八代将軍吉宗」(徳川宗翰役)で初めて出演した。三成(真田広之)の少年時代を演じた96年の「秀吉」に続いて、00年には「葵

 徳川三代」(細川忠利役)、05年には「義経」(梶原景季役)に出演し、今回が5度目の大河ドラマ。「みなさんいろいろ大河、大河と言うが、僕自身は感じたことがない。いつも通りやればいい」と、堂々と言い切った。