<第50回日本レコード大賞(日本作曲家協会主催)>◇30日◇東京・新国立劇場

 7人ダンス&ボーカルユニットEXILEの「Ti

 Amo」が大賞に輝いた。EXILEは08年を「PERFECT

 YEAR」として大きな目標を掲げ活動。大賞曲が収録された「BALLAD

 BEST」は出荷枚数190万枚を突破するなど、歌謡界の頂点に立った。

 恩人の言葉がリーダーHIRO(39)の目頭を熱くさせた。「苦しい時期も知っています。だから最高の賞がうれしい」。壇上に受賞者の1人として上がった所属するエイベックス・グループの松浦勝人社長(44)は神奈川・金沢高の先輩でHIROが在学中、地元でレンタルレコード店を経営していた。先輩に鼻歌でお気に入りの曲を伝えると、レコードを探してくれた。音楽との出会いから、プロになって経験した栄光も挫折も見守ってくれた先輩の祝福に「すごい感動です。出会いを大切に、恩返ししたい」と静かに話し、この日2度目の「Ti

 Amo」を踊り始めた。

 歌って踊って演じて…。EXILEが日本のエンターテインメントの中心だった。3枚のベスト盤出荷枚数が計415万枚を突破。デジタル配信の普及でCDの売り上げは低迷するが「売れない時代だからこそチャンス」と、各アルバムに新作映像など目玉企画を盛り込み、大ヒットにつなげた。

 大賞曲はかなわぬ恋を歌ったバラードだ。HIROは「EXILE的にも新しい部分。聴いた瞬間、メンバー全員が好きになっていた曲」という自信作だ。同曲が収録された「BALLAD

 BEST」は出荷が190万枚を超えた。もともとダンスを武器にするパフォーマーがボーカルを誘う形で結成された。今や派手なダンスとともに、じっくり聴かせるボーカルが、幅広い年代に愛される。

 人気のピークを迎えていた06年3月にボーカルSHUNがソロに転向した。同9月に新ボーカルTAKAHIRO(24)がオーディションで加入した。新たな相棒を迎えたATSUSHI(28)には高校時代、カラオケに同席した女性陣の涙を誘った逸話がある。HIROは「ATSUSHIが横にいることですごくいい影響を受けただろうし、ついていこうと無心で頑張ったことが成長につながったと思う。TAKAHIROの素直さや吸収する能力は天才的」という。天性のボーカリストは2年で若き逸材を頂点に引っ張り上げた。

 人と出会い、音楽と出会い、才能と出会った。「放浪者」を意味するEXILEは、運命的な出会いを繰り返しまた旅に出る。目指す「時代」はまだ先にある。

 [2008年12月31日8時43分

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