大衆演劇の沢竜二(73)が18日から始まる公演「浮浪(はぐれ)雲」(23日まで、東京・西新宿スペース107)に素人の少年を抜てきする。斎藤永大くん(6)で、山梨県富士吉田市に住む小学1年生。7月5日、沢がたまたま見ていたテレビ東京系「田舎に泊まろう!」で発見した。

 芸能人が見知らぬ町で地元の人と触れ合い、どこかの家で1泊するという番組で、その日は八代亜紀が出演し、泊まったのが斎藤家。翌朝、帰る時に永大くんは「学校を休んで送りたい」と言ったが、両親に諭され即座に学校に向かった。沢は「その時の悲しそうな表情がいい。あきらめた時の決断も早い。舞台向きだな」とほれ込んだ。八代が永大くんに会いに学校に行くと、涙を流して泣き、別れがたい表情をした。「感情が素直で、表情も自然に出ていたね」。

 ジョージ秋山氏の漫画を原作にした「浮浪雲」の主人公雲の息子新之助役を探していた沢は番組関係者を通して永大くんの自宅を知り、山梨県まで出演交渉に出掛けた。「会ったら『質問があります。どんな役をやるんですか』と聞くんだ。しっかりしているよね」。両親の了解も得て出演が決まった。けいこ中は父親の運転する車で通い、本番はホテル住まい。沢は「ホテル代はこちらが負担します。素人だけど、やってくれると思います」と期待している。

 [2009年8月3日8時5分

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