人気グループ、KAT-TUNが7月31日に予定していたタイ公演を無期延期にすると15日、所属のジャニーズ事務所が発表した。外務省から発令されたタイに対する危険情報が解除されず、同時期の公演を見合わせることを決定した。引き続き、慎重に開催実現を検討していく構えだが、タイは長年に渡って政情不安が続いており、先行きは不透明な状態。現段階では事実上の中止とみられる。

 KAT-TUNの海外デビュー公演が、思わぬ形で延期された。2日から全国ツアーを開始。7月31日タイ公演を皮切りに海外ツアーを行う予定だったが、ここに来て「政情不安」という現実を突きつけられた。赤西仁(25)がツアーに参加せず、半年間にわたるロサンゼルスでの活動を選んだことが衝撃を与えたばかり。タイ公演も赤西以外の5人で臨むことになっていた。

 ジャニーズ事務所はタイ公演無期延期の理由を以下のように発表した。「4月に外務省から発令された『タイに対する渡航情報(危険情報)の発出』が解除されないため、現地主催者との協議の上、この時期の開催を見合わせることにいたします」。

 タイ公演が行われる予定だったインパクトアリーナは首都バンコクにある。渡航や滞在に際し、特に注意が必要とされる国・地域に発出される「危険情報」は4つのカテゴリーに分けられるが、バンコクは4月下旬、レベル2の「渡航の是非を検討してください」に引き上げられた。チケット発売の時期を迎えたギリギリのタイミングで、タイ公演を断念したとみられる。

 同事務所、KAT-TUNにとっても苦渋の決断だったが、危険地域で公演を強行するわけにもいかない。亀梨和也(24)は「とても残念です。タイのファンの方たちと過ごす時間を楽しみにしていたし、たくさんのファンの声があると聞いていました。またチャンスがあればぜひライブしたいです。今回は国内&アジアツアーをタイの分も盛り上げていきたいと思います」とコメントした。

 同じジャニーズ事務所の嵐は06年、軍のクーデターからタイ公演を断念している。同事務所タレントにとってはKAT-TUN公演が実現すれば、近藤真彦以来20年ぶりのタイ公演だった。

 [2010年5月16日8時46分

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