KAT-TUN亀梨和也(25)が10月スタートの日本テレビ系連続ドラマ「妖怪人間ベム」(土曜午後9時)の主人公ベムを演じることが9日、同局から発表された。「はやく人間になりたい!」の言葉とともに、1960年代に一世を風靡(ふうび)した名作アニメの初の実写化。ドラマでは妖怪人間のキャラクター設定はそのままに、人間界を舞台にしたオリジナルストーリーになる。

 「妖怪人間ベム」は1968年に放送開始した名作アニメ。ベム、ベラ、ベロの3人の妖怪人間が人間になることを願いながら悪の妖怪と戦い続け、人間を救っていく姿を描く。アニメのオープニングに登場し、3人の心情を表した言葉「はやく人間になりたい!」が大流行した。

 アニメでは時代、国などの設定は不明だったが、ドラマは現代の人間界が舞台になる。ベムらが刑事とその家族と触れ合い、人間になるヒントを探しながら、悪を倒していく。ヒーロー物語とともに、人間社会とかかわることができない妖怪人間の悲しみも描かれる。

 アニメでベムは口数が少なく、普段は物腰柔らかな紳士。河野英裕プロデューサーは亀梨の起用理由について「ベムは自分の置かれた境遇や運命に悲しみを背負いながらもタフに優しく生きていく妖怪人間です。そんなキャラクターを寡黙に表現できると思いました」と説明する。

 ベラを女優杏(25)、ベロをヒット中の「マル・マル・モリ・モリ!」を歌う子役、鈴木福(7)が演じる。河野氏は2人について「杏さんは気性が荒い半面、母性を感じさせるという振り幅のある性質を演じられる女優さん。福くんは天真らんまんで純粋な姿をテレビで見て、彼しかいないと決めていました」としている。また、ドラマオリジナルキャラクターで、ベムと友情を育んでいく刑事を北村一輝(42)が演じる。

 亀梨は「リアルタイムで見ていない世代ですが、とても有名なアニメ原作なので、驚いたのと同時に大変光栄に思いました。特殊メークや妖怪を演じさせてもらうのは初めてですし、さらにとてもメッセージ性の強い作品なので、しっかり役に染まりたいと思っています」とコメント。亀梨はジャニーズの人気アイドルでさわやかな役が多かっただけに、妖怪人間役で新境地を開く。【近藤由美子】