【1998年5月26日付・日刊スポーツ紙面】

 歌手の松田聖子(本名・神田法子さん=36)が25日、都内のホテルで6歳下の歯科医と電撃挙式した。長女(11)が通院していた世田谷区内の歯科医院に勤務する30歳の医師。今年4月に聖子の治療に立ち会ったのをきっかけに知り合った。交際わずか2カ月足らず、会った瞬間「ビビビッときた」という一目ぼれだった。ともに再婚になる。12年連れ添った神田正輝(47)との離婚から1年4カ月。聖子は大安のきょう26日にも入籍する。

 聖子は午後8時前、2人で高輪プリンスホテルの玄関前に現れた。初めて姿を現す歯科医師は身長178センチのスポーツマンタイプで、聖子は左腕にすがりつくように迎えのキャデラックに向かった。集まった20人ほどの女性ファンが悲鳴を上げると、何度も頭を下げ笑顔を見せた。

 2人はこの日、午後1時から同ホテルの貴賓館で挙式した。会見した聖子によると、歯科医師が勤務する東京・世田谷区用賀の「はしば矯正歯科医院」には聖子の長女が以前から週に1回程度通院していた。4月になり聖子も親知らずと歯並びの治療を受けたとき、担当医の手伝いをして「タオルをかけてくれた」。

 会ったときに「体と心でビビビッときたんです」という聖子の一目ぼれで、治療中に会話するうちに交際が始まった。「もちろん(2度目の結婚で)慎重になりました。それでも、じっくり話して2人が同じような気持ちを持ったのを確認しました」。交際スタートから3週間後の4月下旬に結婚を決めた。歯科医師は「これからずっと一緒に生きていこうね」とプロポーズした。

 デートはもっぱら世田谷区内の聖子の自宅で「毎日会っていました」と笑顔を見せた。今月10日すぎに式場を決め、中旬に両家の家族が集まり結納を交わした。歯科医師は、聖子に2000万円相当とみられる3・1カラットの巨大なダイヤの婚約指輪を贈った。そしてこの日の挙式。知り合ってから2カ月足らずの電撃ぶりで、ごく一部のスタッフが挙式を知ったのは前日(24日)の夕方だった。

 歯科医師は去年4月に前妻と離婚した。聖子は新しい伴侶に選んだ彼について「すごく優しくて思いやりがあって、人の気持ちが分かるすてきな人」と、人柄を説明した。一人娘との関係も聖子以上に良好で「娘の祝福があったから」と話した。

 昨年12月7日に父の蒲池孜さん(享年72)を亡くした。歯科医師との交際が始まってからは「幸せになります」と、霊前にその経過を報告していた。「何かここまでこれて胸がいっぱいです。素晴らしい人とめぐり会ったことを父に見せたかった」と話すと涙をにじませ、ハンカチで押さえた。

 それでも喪中の急な結婚だけに、妊娠説も飛び交った。しかし、聖子は「おめでたはないですよ。ツアー頑張らなくちゃ」と、6月19日からの全国ツアーでの熱唱を約束した。

 それにしても、破局、結婚、不倫騒動、離婚、再婚と聖子の恋は常に電撃的。さらに、元バックダンサーのアラン・リード(29)から逆セクハラで訴えられた民事裁判は4月に始まったばかりだ。この日夕方、報道番組に生出演した聖子は自分の生き方について「仕事だけじゃなく、一人の女性として幸せに生きていきたい。普通の女性と同じように幸せになりたいと思っているうちに、素晴らしい人と出会えた。ただそれだけです」と自然体を強調した。聖子は大安のきょう26日にも入籍する。◇新居は聖子宅、名乗る姓未定

 2人は入籍後、東京・世田谷区成城の聖子の自宅で、一人娘、母の蒲池一子さん(66)と同居する。関係者によると、歯科医師が入り婿になるのか、聖子が嫁入りするのかは未定だという。また、聖子は昨年1月に神田と離婚してからも「神田姓」を名乗ってきた。長女の名前が変わることを考慮したもので、法律上の問題はない。長女の姓をどうするかも明らかになっていない。☆ドレス相違☆

 85年(昭60)6月、神田正輝(47)と挙式した時のウエディングドレスは、極上シルクサテンの素材で約1000万円。ペチコートでスカート部分のボリューム感を出す若者に人気のデザインで、ベールの長さは7メートル。今回の挙式は「シンプルなものにしたい」との聖子の意向で、腰のラインがくっきり現れる大人向きのタイトのドレス。聖子のステージ衣装を担当しているスタッフがデザインを手掛けた。白い花で彩られた髪飾りを付け、ベールの長さは2メートル弱だった。◆離婚から再婚◆▼1997年(平9)1月10日

 神田正輝との電撃離婚を発表。▼同15日

 米ロサンゼルスの音楽関係者やマスコミに対し、離婚を伝える英文のメッセージを送った。▼同下旬

 離婚届を保管していた聖子側が区役所に提出。▼4月5日

 離婚後初の聖子の全国ツアーのチケットが発売され完売。▼10月19日

 長女(11)が通う小学校の運動会に出席、ママぶりをアピール。▼11月11日

 聖子の写真集「SEIKO

 MATSUDA

 IN

 PARIS」が通信販売された。▼12月7日

 聖子の父親で所属事務所社長だった蒲池孜さん(享年72)が死去。▼12月16日

 聖子の暴露本を出版した元バックダンサーのアラン・リード(29)が、聖子にセクハラされたとして、5000万円の損害賠償を求め提訴する意向を明らかに。▼98年3月9日

 聖子がアランに訴えられたセクハラ訴訟が東京地裁でスタート。▼4月8日

 かつて聖子と恋愛関係にあった歌手の郷ひろみ(42)二谷友里恵さん(33)が離婚を発表。▼同15日

 聖子がTOKYO

 FMのラジオ番組に生出演して、郷との結婚説について「絶対にありません」と発言する。▼4月16日

 聖子と郷が神奈川・生田スタジオのテレビ番組収録でニアミス。