歌手田原俊彦(51)が20日、都内で68枚目のシングル「Mr.BIG」のリリース記念ライブを行った。かつて「俺はビッグ」発言で物議を醸しただけに、「曲名を知った時、はじめはびっくりした」というが、「まあ、元がビッグですから」とあっけらかん。会見では下ネタを交え「肉食系男子」を宣言した。今日21日にデビュー33年目に突入する。

 トシちゃんは“ビッグ”なままだった。曲名について聞かれると、「まあ、元がビッグですからね。何の問題もない」とさわやかに笑ってみせた。

 94年2月17日、田原は「何事も隠密にやりたかったけど、僕みたいにビッグになるとだめだなと思った」などと発言し、激しくバッシングされた。元モデルの妻との交際発覚から取材攻勢にあったことへの反発だったが、メディア、評論家、ファンからも「高飛車」「勘違い男」と批判された。直後、ジャニーズ事務所を退社。メディアへの露出は激減した。

 田原にとっては悔いの残る失言のはずだが、18年を経てそれがシングルのタイトルになった。作詞は、田原のアイドル時代をテレビで見てきたロックバンド氣志團の綾小路翔が担当。サビの部分には「男じゃないか!」「デカく行こうぜ!」などのフレーズがある。

 タイトル名を聞いた時は、ビッグな田原もさすがに驚いたという。「初めて聞いたときはビックリしましたよ。だけど、翔君はシャレもきくし、僕の歴史を全部知ってくれているから。男たるもの、1度きりの人生ですから。ポジティブな歌詞になっているんで、気持ちが入りやすいですし、歌いやすいですよ」。18年前の騒動、発言を振り返ってどう思うかと問われると、「(過去のことは)全然振り返りません。前向きにガンガン行きます」と吹っ切れた様子だった。

 制作関係者も田原のポジティブさを証言した。「田原さんは歌詞と曲名を初めて見るや、驚きながらも『おもしろいじゃん』と言いましたね。それで即決しました」。発言をきっかけに突入した低迷期を苦労して乗り越えた“強さ”がそこにあった。

 そしてこの日、かつて敵対した取材陣に笑顔でリップサービスした。「51歳の今も肉食系か」と問われ、「最近あまり“たたない”から…。いやそんなことない!

 大きい!“そっち”もビッグか!?」「今も“びんびん”ですから」と腕を立てるポーズまでしてみせた。トシちゃんのビッグな33年目が始まろうとしている。【横山慧】

 ◆「俺はビッグ」発言

 94年2月17日、当時32歳の田原が、同14日に長女が誕生したことについて都内で会見した。その際、「僕はみんな(取材陣)のこと嫌いなんだ」「人の話を聞いてないやつだ」「何事も隠密にやりたかったけど、僕みたいにビッグになるとダメだなと思った」などと高飛車ともとれる発言をした。夫人との交際発覚以降、この会見まで約7カ月間プライベート取材を拒否し続けていた。同月で18年間所属したジャニーズ事務所を退社し、独立した。