16日の衆院選で東京8区から無所属で出馬し、落選した俳優山本太郎(38)が24日、来夏の参院選に向けて事実上の出馬宣言をした。都内で脱原発集会に参加し、「次の参院選までの期間は、全国行脚をしなきゃいけない」と明言。脱原発の主張で一致する全国の候補者を応援して回りながら、自身も都道府県選挙区で出馬するとみられる。衆院選では次点ながら、7万1028票と大量得票。民意を追い風にして、参院選でのリベンジを目指す。

 山本は衆院選後、都内での大規模集会に参加するのは初めてだった。東京8区で自民党の石原伸晃前幹事長の約13万票には届かなかったが、約7万票と善戦したことに「公示直前から選挙運動を始めて、7万票というのは、あり得ない数字だそうです。全国的には脱原発グループは惨敗でしたが、唯一の大健闘が、東京8区だった」と胸を張った。大量得票で自信を深めた様子で、来夏の参院選についても語り始めた。

 「次の選挙までに、全国行脚する。同じ地域の人に話し続けるのも大切なんですけど、参院選までの期間は、選挙スタイルを変える。全国の駅前とか、人が集まるところで、どんどん街頭演説をやる」。衆院選の街頭演説は、選挙区の東京都杉並区内で繰り返した。しかし来夏の選挙活動は、脱原発で主張が一致する候補者を応援するため、全国を回るという。

 「今回の選挙結果で不安を訴える芸能人の方々もいらっしゃる。そういう方々にも手伝っていただいて、運動を全国展開したい」。今月1日に立ち上げた「新党

 今はひとり」が、5人以上の国会議員所属という政党要件を満たせば、全国比例区出馬という選択肢も出てくる。しかし現時点では、都道府県選挙区からの出馬が濃厚だ。衆院選公示前は、日本維新の会の橋下徹代表代行と直接対決したいと何度も主張。もし橋下氏の参院選出馬が実現すれば、大阪府選挙区での山本との対決も現実味を帯びてくる。

 「自民党が圧勝したことで、逆にエネルギーをもらった。この怒りと不安をエネルギーに変える。まだ半年以上ありますから、みんなでやりませんか。僕はやる気まんまんです」。山本の事実上の出馬宣言に、会場から大きな拍手がわき上がった。【柴田寛人】

 ◆山本太郎(やまもと・たろう)本名同じ。1974年(昭49)11月24日、兵庫県宝塚市生まれ。箕面自由学園高1年の90年にバラエティー番組出演で芸能界入り。91年から俳優としてテレビドラマや映画に多数出演。今年5月に朱璃夫人(20)と結婚。血液型A。