人気ミュージカル「レ・ミゼラブル」や「ミス・サイゴン」で知られる別所哲也(47)新妻聖子(32)のコンビが、オリジナルのミュージカルに挑戦する。夢を追いかける男女2人の姿を描く「クランク・イン」(東京芸術劇場、12月16日初日)。木の実ナナ、細川俊之さんのコンビでヒットした人気ミュージカル「ショーガール」のように息長く大人の観客に愛される作品を目指すという。

 別所が主演した「レ・ミゼラブル」で新妻がデビューして以来10年、2人は多くの作品で共演してきた。11月にパート4が予定されている「スクリーン・ミュージックの宴」もその1つで、映画音楽で名作を振り返るコンサートのプロデューサー、増田久雄氏(66)が今回のミュージカルを企画した。

 「クランク・イン」は、宇宙飛行士の夢破れ、プラネタリウムの設計者として生計を立てるオリオ(別所)とその恋人で映画スターを夢見る真理(新妻)の物語。30歳を前にようやく大役を射止めた真理のおなかに新しい生命が宿って…という切なくも心温まるラブストーリーだ。

 「凶弾」「君は僕をスキになる」などの映画を製作してきた増田氏が作・演出を務め、映画「半落ち」の音楽や、舞台では宝塚歌劇を手掛けてきた寺嶋民哉氏と、英ロックバンドのツアーでサポートメンバーを務めたことがあるキーボード奏者、モーガン・フィッシャーが全曲を書き下ろす。

 増田氏は「最近の映画製作は、まずテレビ局とのタイアップから始まる。小さくてもオリジナルにこだわりたかった。大人が見て楽しめるミュージカルに仕上げたい」という。また、木の実ナナ・細川俊之さんのコンビで74年に初演し、公演回数547回に及んだ「ショーガール」のように再演を重ねる作品を目指している。

 別所は「多くの名作映画へのオマージュの意味もあると思う。僕自身のデビューが少人数のミュージカル『ファンタスティックス』でしたから、大切にしたい舞台です」。新妻は「大先輩の別所さんはお兄さん、いやお父さんのような存在なので、恋人役には感慨深いものがあります。音楽をはじめ、楽しみの多い作品です」と話している。

 メルヘンタッチの作品はポプラ社から大人の女性に向けた絵本として出版されることも決まっている。