60年代後半に若者から熱狂的に支持されたザ・タイガースが44年ぶりにオリジナルメンバー5人で再結成して3日、東京・日本武道館で全国ツアーをスタートさせた。71年に解散コンサートを行った思い出の地で復活。

 「ついに5人の気持ちが1つになりました」。沢田研二(65)が、今年1月に再結成を発表してから11カ月。グループサウンズ(GS)ブームの頂点に君臨したタイガースがよみがえった。5人は加橋かつみ(65)岸部一徳(66)瞳みのる(67)森本太郎(67)と沢田。沢田は「これから先、生きていくのにとっても不安、切なくてつらい時代なのにタイガースに光を当ててくれてありがとう」とファンに何度も頭を下げた。

 2部構成で全28曲。第1部は当時カバーしていたビートルズなどの洋楽11曲。第2部はオリジナル曲のコーナーで「花の首飾り」「君だけに愛を」などヒット曲を披露した。ファン層を考えて、1部と2部の間に15分の休憩時間も設けた。

 アンコール終了後、沢田はステージを下りながら、少しふっくらしたおなかをポンポンと何度もたたいてファンの笑いを誘った。加橋の脱退後に加入した岸部四郎(64)が姿を見せるか注目されたが、この日は現れなかった。

 タイガースは日本武道館と縁が深い。68年に日本人アーティスト初の単独公演を実現させた。解散コンサートはその3年後だった。復活公演は今月27日の東京ドームまで8公演で10万人を動員予定。日本中でGSに酔った“アラ還世代”が懐かしいサウンドに再び酔いしれる。【松本久】