海上自衛隊東京音楽隊3等海曹、三宅由佳莉(28)が、2枚目のアルバムを来月4日に発表することが4日、分かった。題名は「希望~Songs

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 Tomorrow」。選曲にも携わり、収録された表題曲では作詞に初挑戦。本紙のインタビューにこだわりや近況を語った。

 「海自の歌姫」の新アルバムが完成した。新作は、海上自衛隊東京音楽隊の演奏で、三宅が歌唱するスタイルは変わらないが、今回は選曲にも積極的に携わった。「希望を感じられるCDを作れたらいいねと話し合いながら、選曲させていただきました」。「アナと雪の女王」の大ヒット曲「レット・イット・ゴー」から「見上げてごらん夜の星を」「旅立ちの日に」まで幅広いジャンルから選曲。カバー曲を中心に計13曲を収録した。

 アルバム唯一のオリジナル曲で表題曲「希望」では作詞に初挑戦した。「小さな手帳を持ち、気になった風景や思い浮かんだ言葉を書き留めて。私にとって希望の象徴でもある虹を、希望のシンボルとして描こうとまず決めました」。歌い出しの「雨にぬれた頬

 晴れて

 虹よ、架かれ」をはじめ、「虹」が歌詞の中で効果的に使われている。昨年7月から構想を練り、今年初めに完成した。「作文も苦手で、もともと自分の気持ちを言葉にすることが苦手です。それぞれの言葉に思い入れがあって、すごく満足しています」と手応えを口にした。

 13年8月のCDデビューから約1年半。デビュー後の反響は大きく、各地で行う海自東京音楽隊の演奏会に来場する客層も変わった。「音楽をやっている女子中高生がキャピキャピと声を掛けてくれたり、年配の方が孫のように声を掛けてくださったり。家族連れも増えました。私たちの存在を知ってくれたことは大きかったです」。CDのキャンペーンで数多くの音楽番組に出演した。「一番印象に残っているのは北島三郎さん。『マイクは気持ち下げた方がいいよ、せっかくの顔が見えなくなるよ』と。感激しました」。

 デビュー当時、全国23万人の自衛官で唯一の歌手だったが、“三宅効果”で後輩も誕生した。昨年春、女性3人が歌手採用された。海上自衛隊に1人、陸上自衛隊に2人。「三宅さんに憧れて受けました」と公言する後輩もいる。「彼女たちが歌っている姿を見ると、すごく刺激になります」とうれしそうに言った。

 「今回いい経験をさせてもらったので、今後も手帳に感じたことを書き留めて、今後もまた詞が生まれたらいいなと思います」。新たな挑戦をクリアし、歌手として幅を広げた。【近藤由美子】

 ◆三宅由佳莉(みやけ・ゆかり)1986年(昭61)12月14日、岡山県生まれ。日大芸術学部音楽学科声楽コース卒。09年4月に海上自衛隊入隊。同9月、東京音楽隊初のボーカリスト配属。会ってみたい人は安室奈美恵とローラ。163センチ。血液型A。