水嶋ヒロ(28)が、映画「黒執事」(大谷健太郎、さとうけいいち監督、年内公開)で3年ぶりに本格的な俳優復帰を果たすことが8日、分かった。主演の10年9月4日公開の「BECK」以来。「黒執事」は世界42の国と地域で発刊され、累計発行部数1400万部超の漫画が原作で、アニメ化もされた。水嶋は悪魔の執事セバスチャン・ミカエリスを演じる。

 3年ぶりの本格的な俳優復帰を決意した水嶋は、今の心境をこう説明した。

 「決断したことに驚いている気持ちもありますが、本当に良い作品と出会うことで、ここまで気持ちが動くものなのかと自分の新たな一面を見詰めているような状況です」

 10年9月に前事務所から独立した際は、執筆活動に専念すると宣言。その後、プロモーションビデオやCM出演はあったが、ドラマ、映画には出演していなかった。

 決め手は、松橋真三プロデューサーの熱意だった。約1年前から「水嶋さんがやらないのなら映画化はしない」とラブコールされ、水嶋は「何をするにしても自分の脳みそが出している答えを信じて行動してきましたが、松橋さんと作品を信じるべきだという直感に従わざるを得ません」と決意。松橋プロデューサーは「足しげく通い、幾度となく打ち合わせを行った。彼も作品を愛するようになり、OKのお返事をいただいたのは、ついこの前のことです」と喜んだ。原作の漫画家・枢(とぼそ)やな氏も、水嶋の起用を受けて映画化を認めた。

 水嶋演じるセバスチャンは、名門貴族ファントムハイヴ家の当主で12歳のシエルと契約を結んだ執事で、正体は人間を装った悪魔だ。知識、品位、料理、武術、容姿すべて完璧だが時に毒舌を吐く。クランクインは4月の予定だが、シャープに見せるために水嶋は無駄な脂肪を落とし、衣装、髪形、メークなど見せ方の準備とアクション練習も始めたという。「1度の人生なので、気の済むまで興味の湧いたものからチャレンジしていきたい。成立に至ったものからお伝えできる形になりますが、結果的に成立しなかったものも僕の経験として積み重なっているので、そんな人生を楽しんでいます」と水嶋。自然体で気負わず、作品に取り組むようだ。