俳優妻夫木聡(33)が、3DCGアニメ映画「STAND

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 ドラえもん」(山崎貴、八木竜一監督、8月8日公開)で、「青年のび太」の声を担当することが29日、分かった。

 2011年からトヨタ自動車のCMに、「30歳ののび太」役で出演。ただ、アニメで演じることには迷いがあり、何度かオファーを断ったという。

 「国民的漫画なので、自分が声をやらせていただいていいのかという葛藤がすごくありました。のび太の声ですもん。越えちゃいけない壁があるような」

 無理はない。テレビ朝日系で79年にアニメ放送が始まって以来35年、歴代のび太の声は、専業の声優が演じてきた。

 だが、制作側はあきらめなかった。シンエイ動画・梅沢道彦プロデューサーは「試行錯誤してみましたが、やはり妻夫木さんの顔が浮かんだ」と言い、CMのクリエーター佐々木宏氏は、「大人になっても泣いて、しずかちゃんと幸せになるくらいだから意外とハンサムでは。ぴったりなのは、泣きの演技がうまい妻夫木さん」とこだわった。

 その熱意を受け止める形で妻夫木も出演を決意。4月末に行われたアフレコでは、メガネと衣装を用意し、のび太になりきった。

 「やるからには、『全部のび太にならないと』と思って」

 やや頼りない姿は、のび太そのもので、地声よりやや甲高い声に、八木監督も「本当に声変わりした、のび太くんそのもの」と大満足のできだった。

 「青年のび太」は、のび太の人生に関わる大事なシーンに複数回、登場する。アフレコを終えた妻夫木は「自分ものび太世代のど真ん中。関わるなんて恐れ多い。本当に勉強になりました」とかみしめるように話していた。