第57回ブルーリボン賞(主催・東京映画記者会=日刊スポーツなど在京スポーツ7紙の映画記者で構成)の授賞式が12日、東京・霞が関のイイノホールで行われた。「私の男」で主演男優賞を受賞した浅野忠信(41)が喜びのあまり、壇上で感極まって男泣きした。

 いつもはクールな男・浅野の目に、みるみるうちに涙が浮かんだ。

 「記者の方たちが実際に目で見て、判断して、選んでいただいたのが、うれしかった。ずっと一生懸命やっていて、自分の情熱の懸けられるものが…」

 言葉が出ない。8秒たって、絞り出した。

 「役者しかなかったですね。こういう賞をもらえたのが、本当にうれしいです。ありがとうございます」

 90年の映画デビュー後、昨年のモスクワ映画祭で日本人として31年ぶりの最優秀男優賞を受賞するなど、海外で評価されてきたが、国内での評価は、それに見合ったものではなかった。「日本で賞をいただいていなかった。誰にも相手にされていないんだなと思った」。映画を見て日々、取材する記者がつないできた、ブルーリボン賞の重みを実感しての熱い涙を、浅野は右手の袖でぬぐった。

 「私の男」では、二階堂ふみ演じる養女と禁断の関係を結んだ男を演じた。司会の貫地谷しほり(29)から「(映画では)禁断の愛が描かれていましたが、浅野さんにとって愛とは何でしょうか?」と聞かれると「そういうことが考えられたら…まぁ、離婚もしてなかったと思いますけど。すみません」と苦笑い。09年に前妻の歌手CHARAと離婚したことを、自虐ネタにして笑い飛ばした。

 来年の授賞式では司会を務める。9日に写真投稿サイト・インスタグラムに、みかんのネットをかぶった写真をアップして話題を呼んでおり、「みかんの袋でもかぶって出てきます」と予告。浅野が映画愛あふれる男泣き、笑いで会場を沸かせた。【村上幸将】