【ドーハ(カタール)=20日】カタールは、左から攻めろ!

 Jリーグ名古屋で6年間育成責任者を務め、前カタールU-22(22歳以下)代表コーチのアイザック氏(48)が、準々決勝(21日)の相手カタール(FIFAランク105位)の弱点を明かした。日本戦で右サイドバックに入るハミド(24=アルラーヤン)の裏にスペースができ、さらに右ストッパー・ビラル(24=アルガラファ)との距離が離れすぎていることを指摘した。相手左右MFの飛び込みをケアすれば「日本が3-0で勝つ」と予想した。

 極秘情報が飛び込んできた。金沢大で博士号を取得し、Jリーグ名古屋で6年間下部組織の育成に携わった親日家のルーマニア人アイザック氏が、日本勝利のキーワード5カ条を明かした。(1)左の裏を突け

 

 

 

 

 

 アイザック氏

 カタールは右サイドバックが固定しない。初戦はハミド、2戦目以降は本来ストッパーのカソラが出場した。カソラは日本戦出場停止で、再びハミドがスタメン出場するだろう。そのハミドは本来、3-5-2の右ウイング。スピードはなく、速い判断力でスペースを消す能力はあるが、頭の中の70%は攻撃の気持ち。最初はチーム全体で守備の意識があるから前に上がらないだろうけど、前半30分以降は彼の攻撃本能が顔を出すだろう。その時にできる裏のスペースは、日本にとって大きなチャンスになる。さらにストッパー2人は、サイドをえぐられた時、ボールウオッチャーになることが多いから、左からの長友のクロスに、逆サイドから岡崎が飛び込めば、得点する可能性は高い。(2)右DF2人の距離感

 

 

 アイザック氏

 ハミドと右ストッパーのビラルとの距離が離れすぎている。日本がサイドを意識させると、その距離はどんどん広がる。そこにパスコースが生まれる。ドリブル突破も面白い。対面のMF香川が、2人の間を狙うパスを出して、岡崎が飛び込めば、ビッグチャンスが生まれる。香川のドリブルも生きる。(3)右中盤に穴が開く

 

 

 

 アイザック氏

 左サイドバックのマジドは、チーム事情でここ2戦は積極的に攻撃参加したが、ハミドが逆サイドバックに戻ると、ほとんど攻撃参加しなくなる。左ボランチのウェサムが中央寄りで、左MFエルサイドが前線への飛び込みを狙うため、左の中盤にスペースができる。遠藤がそのスペースを有効に利用すれば、フリーで正確なアーリークロスを上げられる。(4)左右MFの飛び込み

 

 

 アイザック氏

 最前線のセバスチャンが調子を落としていることから、最近は左右に流れるプレーが多い。日本のストッパーがその動きにつられると、そのスペースに右のアハメド、左のエルサイドが飛び込んでくる。トップ下のファビオセサルは正確なボールを蹴って、2人に合わせる能力があるので、左右MFのケアは十分気をつける必要がある。(5)前を見ろ

 

 

 

 

 

 

 

 アイザック氏

 日本戦を3試合見て気になることが1つある。FW前田は素早い動きだしでチャンスをつくろうとしているが、ボールを取った選手は、まず前を見ないで、横や後ろのパスコースを探す。相手ストッパー2人は体は強いがスピードはない。攻守の切り替えを速く、ボールを取ったら前への意識を強く持てば、カウンターからも得点できるはずだ。

 アイザック氏はカタールでは04年からU-17監督、クラブチームのアルサード監督、昨年末まで同国五輪代表コーチを務めるなど、7年も同国サッカーにかかわっている。日ごろA代表の練習も間近でみており、今回の同国メンバー中、11人が教え子と、情報の精度は極めて高い。普通なら明かさない秘密だが「ベンゲルから日本のために役に立つ仕事をするように」と言われたこともあり、特別重い口を開いた。同氏の情報は当然、ザックジャパンにも届いていると思われる。

 相手一色のスタジアムでアウェーの戦いを強いられる日本。だが、満員の観客より力強い1人の援軍を得たことは、大きなアドバンテージになる。【盧載鎭】