前日本代表監督で、現在アラビアン・ガルフ・リーグ(UAE1部)のアルワフダを率いるハビエル・アギーレ氏(58)が、日刊スポーツに特別評論を寄せた。チームの練習があったためテレビ観戦。1点リードの前半20分に1対1を止めたGK川島永嗣(34)が勝利の立役者とし、ハリルジャパンの組織的な守備も評価した。【聞き手=木下淳、山本孔一通信員】

 日本の皆さん、オヒサシブリデス。愛する国を離れて2年。代表はもちろん、Jリーグ、ACLを今でもチェックしている中、ここUAEで日本との試合を迎えられて格別だった。10番のFWマタルとDFカマリ(アルワフダ所属)が先発していたので大きな声では祝福できないが、日本は組織的で運動量があり、個々の対決で上回っていた。すべての面で日本が凌駕(りょうが)した試合だった。

 勝利の鍵はGK川島のセーブにあった。UAEの唯一の好機は(前半20分の)1対1だったが、川島がよく止めた。もちろんFW久保の早い先制点が相手をナーバスにしたが、6分後にUAEが1-1にできていれば落ち着けたはず。会場も日本への重圧を強めたはず。川島はシュートだけでなく、それも防いだ。FW以上に素晴らしいGKが必要という私の哲学を、彼が正しいと証明してくれた。