日本代表のイビチャ・オシム前監督(66)が、遠回しに岡田ジャパンを批判した。30日の川崎F―千葉戦を観戦。報道陣に求められて退院後初めて肉声で試合の感想を述べた後、「代表の方で問題があるとしても、選手はよくやっている」と自ら切り出した。具体的な問題点については「そのくらいです」と言及を避けた。

 オシム前監督は入院中に、川淵キャプテンに対し、特定の選手の名を挙げ「成長がない」と怒っていたという。ただ今回は選手ではなく、チームがうまく回っていないことを、はっきりした口調で指摘した。この日も「凶器を持ってるんで危ないよ」と右手に持ったつえを差し出すなど、相変わらずのオシム節は健在。ただ代表のことを語るときは、お得意の皮肉っぽい表情もなく真剣だった。

 昨年11月に急性脳梗塞(こうそく)で倒れて以降初めて、古巣千葉の試合を観戦した。代表監督時代にともに仕事をした、A代表の大熊コーチと並んで試合を見詰め、ひんぱんに意見交換していた。岡田監督が「脱オシム」を掲げる中、ご意見番も黙ってはいられないようだ。