【ダンディー(英国)=アンソニー・マッカスカー通信員】セルティックMF中村俊輔(30)が、17日のダンディーU戦で今季初出場し、W杯アジア最終予選バーレーン戦(9月6日)出場へ光を見いだした。グロインペイン症候群の手術から18日目での先発出場。後半23分にベンチに下がったが、チームの先制点をアシストするなど上々の出来だった。

 なかでも前半37分の直接FKの場面を振り返り、「ケガの功名」を明かした。

 中村

 遠かったけどファーに速いボールを蹴った。壁に当たらなければGKもキャッチできなかったと思う。前より体の動きはシャープになっている。ケガをして、ほかのことを得ることもある。自分の知らなかったトレーニングや知識が増えたのは大きい。(休養期間に)いろんなことをしっかりやったのがよかった。

 復帰初戦で約70分間プレーし、「短かった。短かったと感じたということは、フレッシュな気持ちでやれている証拠。それが一番よかった」。身も心も口も滑らかだ。ストラカン監督も「いいパフォーマンスだった。スタミナが切れたので交代させたが、チーム全体が生き生きしていた。いい選手の存在はチームにとって追い風のようなもの」とたたえた。

 転んでもタダで起きないのが、多くの挫折を乗り越えてきた中村ならではの持ち味だ。バーレーン戦まで3週間を切り、「あとはコンディションを上げていけば大丈夫」。中村の復活宣言は、日本代表にとって最高の追い風になる。