<アジアCL:鹿島6-0ナムディン(ベトナム)>◇1次リーグ◇F組◇19日◇カシマ

 内田は最後の最後に目覚めた。後半23分。右サイドでこぼれ球を拾い、ゴール前に視線を送る。一瞬の確認だけで、すぐにクロスを上げる動作に入った。アーリークロスがFWマルキーニョスの頭にピタリと合った。前半は「ピンポン球みたい」と表現するACL公式球に悪戦苦闘。ミスを連発した。だが最後に公式戦2戦連続のアシストで見せ場をつくった。

 プロ3年目で引き出しが増えた。「前半から裏へ裏へ行こうとすると相手にバレる。後半行きたいから、前半はあまり行かなかった」。5バックでサイドのスペースを埋めた相手に対し、前後半でスタイルを変えるなど知恵を働かせた。

 代表戦も合わせて今季は早くも11戦目。「今年は疲れるのは分かっている。オフも休んでいないし、それが結構じわじわ来ている」。ベスト体重は約64キロだが、試合が終わると60キロまで激減する。「好きな物を食べて寝るしかない」。骨身を削って戦っているが、今年は内容が悪くても結果が出るようになった。

 26日にはW杯予選バーレーン戦が控える。「選ばれたけど、試合に出られるようにしたい」と、いまだに定位置確保の実感はない。だが勝利への自信が生まれつつある。お立ち台では「今は(チームが)負ける気がしない」と断言。鹿島での勝ち癖を代表にも持ち込む。【広重竜太郎】