<アジアCL:鹿島1-0北京国安(中国)>◇1次リーグ◇F組◇9日◇カシマ

 鹿島の日本代表DF内田篤人(20)がACL北京国安戦で腰部を負傷し、戦線離脱することが確実になった。後半30分に接触プレーで腰を強打し、同33分に負傷交代。試合後、鹿嶋市内の病院で検査を受け「腰椎(ようつい)横突起骨折」と診断された。今月中の復帰は微妙な状況で、13日の浦和戦から続く試合を欠場することになりそう。チームは1-0で勝利を収め、1次リーグ突破に王手をかけたが、代償は大きかった。

 内田の腰がラフプレーによって打ち砕かれた。後半30分に右サイドで突破を仕掛けた際に相手選手のヒザが腰に直撃。その場にうずくまり、ピッチ外で回復を待ったが、続行不可能と判断され、同33分に交代した。試合後は「相手のヒザが入った」と顔をしかめながら状況を説明。スタッフの肩を借りながら歩き、車に乗るのもやっとの状態で、病院の検査に向かった。

 クラブ関係者によると「腰の横突起が折れている」との診断結果だった。1カ月以上の重傷ではないが「1週間は安静にしなければいけないし、そこから調整すると今月中(の復帰)は難しいかもしれない」と今月いっぱいの戦線離脱を示唆した。13日には浦和戦、19日にはG大阪戦とリーグ優勝を占う勝負が続き、23日にはACL1次リーグ突破をかけたアウェー北京国安戦を控えるだけに、手痛い負傷となった。

 MF野沢も右足甲の痛みでこの日の試合を欠場。中学時代から両足甲が痛む「ケーラー病」に悩まされており、回復に向かっているとはいえ慎重を期さなければならない。この日もMFダニーロの決勝ゴールで勝利を収め、公式戦8連勝と破竹の勢いの鹿島だが、内田、野沢と故障が相次ぐ緊急事態となった。【広重竜太郎】