鹿島MF青木剛(25)が「イチロー流」でチームの苦境を救う。7日のACLクルンタイバンク戦に向けた5日の調整は、多数の主力選手が不参加。6日には合流見込みだが、DF岩政が右足首痛、MF本山、GK曽ケ端が右ひざ痛、FW田代が左ひざ痛で別調整となった。FWマルキーニョスもこの日の検査で左腹直筋挫傷で全治2週間と診断され、台所事情は苦しい。そんな中、フィールドの選手でただ1人今季公式戦全15試合フル出場の青木が奮起を誓った。

 過密日程の中でケガもなく仕事場を守っている。「それがなくなったら僕はおしまい」。故障を防ぐためにマリナーズ・イチロー外野手の調整法を取り入れた。「新聞でイチローがルーティン(やるべきこと)を大事にしていることを知った。試合への入り方が何十通りも決まっているんです」と明かした。

 青木も、試合前夜から睡眠時間、スタジアムに入ってからのスパイク磨き、ストレッチメニューなど、毎試合同じ手順を淡々とこなしていく。「同じルーティンで試合に入ることにより、いつも同じ精神状態で臨める」。自然とケガを避けられるようになった。

 チームは公式戦6戦未勝利。青木は「みんなで乗り切らないといけない時期」と前を向く。【広重竜太郎】