<アジアCL:(5)G大阪2-0アデレード(オーストラリア)(0)>◇決勝第2戦◇12日◇アデレード※カッコ内は2戦合計得点

 万感の思いが体中を突き抜けた。大会MVPに選ばれたMF遠藤保仁は「ここまで長かったから達成感がある。優勝カップを掲げられてよかった」と喜んだ。

 1得点1アシストの第1戦に続きトップ下で先発、フル出場して縦横無尽に動いた。前半43分には左に流れてゴール前のルーカスにロングパスを通し、後半23分には激しいスライディングで警告を受けた。優勝への気迫をプレーで示し、「昨年浦和が勝って、自分たちも優勝できると思っていた」と胸を張った。

 G大阪との契約はあと1年を残しているが、G大阪は今オフに前倒しで複数年契約を打診する可能性が高くなっている。今季クラブ最高の年俸8500万円から、日本人選手としてはクラブ史上初の1億円に到達することは確実だ。

 6月30日、蓄積疲労からウイルス感染症を発症。入院から数日間は食事も取れず、点滴を打ちながらベッドに横たわった。年齢制限外で選出されていた北京五輪をやむなく断念。その分「大事な試合はまだこれからある」と挽回(ばんかい)を誓い、復帰後のACLでは6試合3得点4アシストと大活躍した。

 13日にチームとともに帰国し、休む間もなく14日には日本代表に合流。19日にはW杯アジア最終予選カタール戦も控えている。「まだ代表があるし、引っ張っていく立場なので頑張りたい」。10年W杯南アフリカ大会の出場権獲得へ、今度は日本代表を引っ張っていく決意だ。