浦和が苦しんで15年初勝利を挙げた。MF阿部勇樹主将(33)は「1つ勝つのは難しい」と絞り出した。DF槙野智章(27)も「勝つことが、こんなに難しくて厳しいことなのかと」と安堵(あんど)の表情を見せた。
昇格した湘南に前半36分に先制を許す展開。今季の公式戦3連敗の重苦しさが増したが、前半41分にFW興梠慎三(28)が同点弾。後半30分にMF宇賀神友弥(26)のゴールで勝ち越し、同32分にDF那須の得点で突き放した。ペトロビッチ監督は「今日の勝利は勝ち点3を獲得したとは書かれないでしょう。4連敗しなかった、となるだろうし、もし引き分けていたら4戦勝ちなしと言われていたはずだ」と笑顔を見せる余裕もあった。
開幕前に選手とサポーターは分裂しかけていた。ACL、富士ゼロックス・スーパー杯と攻め切れず、守り切れず、勝てずの悪循環。苦しい状況でこそ後ろ盾になるはずのサポーターからはブーイングが飛んだ。試合前にある選手は「まだ始まっていないのに。一緒に戦っている気がしない」とうつむき加減に言った。勝つことでしか、分裂を回避するすべはなかった。
今日8日、埼玉スタジアムに差別的な横断幕が掲出されてから、ちょうど1年。選手とサポーターがともに戦うのか、それとも緊張感を持った関係を続けるのか。両者が一丸となったこの日の勝利を見れば、答えは明らかだ。【高橋悟史】




