山形がホーム開幕戦で川崎Fを破り、3戦目で今季初勝利を飾った。前半から高い位置でボールを奪ってチャンスをつくり、後半29分に右クロスからのこぼれ球をMFキム・ボムヨン(24)が豪快に蹴りこんで決勝点。自身J1初ゴールが、初白星に導く今季チーム初得点となった。

 山形が昨季から磨いてきたスタイルを貫き、ホーム開幕戦で歓喜の瞬間を迎えた。前線からのプレスと素早い攻めで川崎Fを苦しめ、11年9月11日アウェー浦和戦以来となるJ1での勝利。ホームでは同年8月13日甲府戦以来1317日ぶりだった。お立ち台に上ったボムヨンは「勝ちましたー!」と絶叫。自身のJ1初ゴールが決勝点となり「人生の中で一番うれしい瞬間だったかもしれない」と喜びをかみしめた。スタジアムには勝利の歌が高らかに響き渡った。

 “控え組”の奮闘が、嫌な流れを断ち切った。仙台との開幕戦と前節浦和戦は前線からのプレスが不発。ボールを奪った後の攻めも遅く、無得点で連敗した。直後に迎えた18日のナビスコ杯。出場機会の少なかった選手たちが本来の戦い方を発揮し、3-1で勝った。石崎監督は、川崎F戦に向けたミーティングで、ナビスコ杯の映像を見せた。原点に戻ってつかんだ勝利に「出ていない選手が、いいお手本を見せてくれた」。清水戦はベンチ外だったFW山崎も「前線から(プレスに)行くことだけ頭に入れて、徹底してやれた。去年からやってきたことが出せた」とうなずいた。

 昨季も天皇杯で“控え組”が鳥栖を撃破し、その後の快進撃が始まった。大きな自信をつかんだ山形が、再び旋風を巻き起こす。【鹿野雄太】