清水はG大阪に惜敗し、クラブワーストの公式戦6連敗となった。2点を追う後半11分、FWウタカ(31)が右クロスを頭で合わせてJ初ゴールをマーク。同19分にはFW大前元紀(25)が相手GKのボールを奪い、右足で同点弾を決めた。反撃ムードとなったが、同35分に決勝点を許してしまった。勝ち点3は逃したが、助っ人に待望の1発が飛び出してエースも開幕戦以来のゴール。昨季3冠の難敵との一戦で、光が見えてきた。

 後半途中から劣勢ムードを打破した。同5分に2失点目を許すと、大榎克己監督(50)が動いた。同9分に投入されたFWウタカ(31)が役目を果たした。直後の11分。右クロスにウタカが頭で合わせてJ初得点を決めた。「いいエネルギーを与えることができた」。助っ人の1発で重苦しい雰囲気が反撃に転じた。

 ウタカが前線で積極的にボールを受けてリズムを作ると、エース大前も続いた。同19分、前線にフィードを試みようとしたG大阪GK東口が置いたボールを背後から奪い去った。そのまま右足で流し込み、一時は同点となるゴール。開幕戦以来の得点に大前は「狙い通り。自分自身は取れてよかったかな」。取るべき男が取り、逆転ムードも漂い始めたが、昨季3冠の壁は厚かった。最後はG大阪FW宇佐美に決勝点を献上。クラブワーストの公式戦6連敗となり、大榎監督も「結果は残念」と話した。

 連敗は止められなかったものの、チームは変わり始めている。実は、9日の練習中に選手同士で小競り合いになり、練習が中断。一触即発の雰囲気となったが、指揮官は「選手も何か変えたいと思っている。要求しあうことは悪くない」と悲観しなかった。

 ホームでまたも勝てなかった。チームは不名誉な記録を更新したが、主将のMF本田拓也(29)は言う。

 本田 点を取れたことをプラスに捉えたい。もう1度練習から激しくやっていけば結果は変わってくる。

 敗戦から見えた一筋の光を信じて、今はやり続けるしかない。【神谷亮磨】