仙台が甲府に敗れ、引き分けを挟みホーム4連敗を喫した。ボールを保持する時間は長かったものの、後半20分に痛恨の失点。その後、MF金久保順(27)が仙台デビューするなど反撃を狙ったが、わずかシュート3本で完封負けした。

 痛恨の敗戦だった。試合終了の笛が鳴ると、仙台イレブンは立ち尽くした。DF石川直は悔しさをぶつけるように足元のボールをピッチ外へ蹴りだした。ホームで前節まで最下位の甲府を迎え撃ち、一気にひと桁順位を狙った。だが見せ場の少ないローゲームで無得点。サポーターからのブーイングを浴び、FW金園は「当然のことやと思う。もっと戦う気持ちが必要だった」と声を振り絞った。

 前半放ったシュートは0本。ボールを保持するも、5バックで守備ブロックを敷いてゴール前を固める相手に対し「積極性が足りなかった」と渡辺監督は言う。相手を追い越す動きやクロスなど相手の脅威となるプレーは見られない。最近2戦で7得点を挙げたのがうそのように寂しい攻撃だった。動きがなければ相手も動かない。引いて守る相手をおびき出すこともできず、後半もシュート3本。ゴールは遠かった。

 前節新潟戦で連敗ストップも、またもや苦しい状況に立たされた。前半だけで声を枯らすほどコーチングを続けたセンターバック渡部は「押し込む脅威は足りなかったが、崩されたのは失点した場面だけ」と1失点を悔やんだ。次戦は中3日でナビスコ杯の東北ダービー山形戦が待つ。渡辺監督は「(今日は)痛い敗戦に尽きる」としながらも「次のダービーへエネルギーを注げるよう準備する」と前を向き、切り替えた。【成田光季】