G大阪のFW宇佐美貴史(23)が「新スタイル」で、リーグ3戦ぶり勝利に導いた。前半31分。倉田からパスを受けると、前線に走り込んでいた相棒FWパトリックを見た。まさにDFを追い抜く寸前のオフサイドぎりぎり。ワンテンポでも遅れていれば、主審の笛が鳴っていたであろう神業のタイミングでスルーパスを出した。そのボールをパト砲が決めて先制。宇佐美が生んだ決勝弾だった。
第1ステージ(S)はFWとしてゴールにこだわり、得点ランクは現在も通算16点でトップを走る。だが第2Sは中盤に下がって試合を組み立てながらパスを出し、守備も貢献する。この日も左サイドから、攻守で存在感を見せた。
「監督にはチームのためにやってくれと言われている。僕にとってはむしろウエルカム。(点が)取りにくい方に行って(点が)取れる可能性を探る方が、成長につながる。まだまだ(自分に)伸びしろがある」
リーグ戦は3戦不発。日本代表として出場した東アジア杯も含め、8月はまだ得点がない。第2Sは8戦3発で、明らかにゴール数は減った。それでも「得点数は諦めるつもりはない。ハードワークをして、いいパスを出して、点も決める。(新スタイルの)感覚はつかめているので、なるべく早く、中盤にいながら得点を取れるようにしたい」とまで言い切った。
1点を守りきっての辛勝に、真夏の打ち上げ花火のような華やかさはない。それでも、宇佐美には向上心がある。ホームでも7月11日甲府戦以来、3戦ぶり白星。順位は第2Sで8位に浮上、年間でも4位につけてタイトルの可能性は十分ある。長谷川監督は「ホームで勝ったことが何より大きい」。2戦連発のパトリックも「タカシ(宇佐美)がいいボールをくれたおかげだ」と笑顔を見せた。今日23日にはACLの韓国遠征に出発。一時は不振に陥ったG大阪に、明るい光が差し込んだ。【益子浩一】



