清水MF石毛秀樹(20)が新たな武器を引っ提げ、低迷するチームに刺激を与える。9日の天皇杯2回戦(藤枝MYFC戦)に備え、4日には静岡市内で午前練習に臨んだ。田坂和昭監督(44)就任後、4試合連続でベンチ外が続く石毛は次戦のメンバー入りが濃厚。「試合に出たら、やれるというところを証明したい」と決意を示した。

 今季は序盤こそ出番は少なかったものの、徐々に出場機会を増やし、リーグ戦では3得点をマークしていた。いずれもエリア外からの強烈ミドル弾でネットを揺らした。特に7月の東京戦で決めたゴールは「思い通りだった」と振り返る。これまでは横に曲がる弾道のシュートが多かったというが、FKの名手、元日本代表MF中村俊輔(37=横浜)のキックを参考にした「ボールをこすりながら、落とす」という縦回転のシュートを習得。この日も全体練習後に約30分、居残りでFKの練習を確認。キックの感覚を何度も確かめ「腰を押し込みながら、インパクトでは膝を抜くイメージ。いい感触でできているし(FKの)チャンスがあれば蹴りたい」とセットプレーのキッカーにも名乗りを上げた。

 金髪だった髪も黒髪に戻し、心機一転した様子。チームがリーグ戦で17位に低迷する状況をふまえ、石毛は「勝って何とかこの状況を変えたい」と言葉に力を込めた。【神谷亮磨】