元日本代表の浦和MF鈴木啓太(34)が、今季限りで16年にわたり在籍した浦和を退団し、J2横浜FCに移籍することが20日、濃厚になった。鈴木はこの日、自身のSNSで浦和退団を報告。今後について「他チームよりオファーもいただいていますが、サッカーを続けるかどうかも含め、もう少し考えたいと思っています」としているが、複数の関係者によると、既に水面下で接触し交渉が進んでいるという。交渉がまとまれば、来季から前線のFWカズ(三浦知良、48)と、中盤の鈴木の豪華ホットラインが誕生する。

 鈴木は00年から浦和一筋でプレー。持ち味のスタミナを生かし献身的な守備で浦和の中盤を支えてきた。06年には当時日本代表のオシム監督が「水を運ぶ人(周囲のためにプレーする)」と高評価し、不動のメンバーとして代表に定着し、浦和でも06年のリーグ優勝に貢献した。昨季はリーグで28試合出場も、終盤に不整脈に見舞われ、今季は新加入選手の台頭もあり4試合出場にとどまった。

 鈴木は「自身の最高のコンディションでなければ、トップを争っていくこの浦和でプレーすることは簡単ではない」と退団を決意。今季限りで浦和との契約が満了する鈴木に対し、横浜FCが経験豊富な元日本代表MFの力を高く評価し、白羽の矢を立てた。

 横浜FCは今季、一時はJ1昇格プレーオフ圏内(6位)を狙える位置につけるも、7月18日の熊本戦から8連敗と大失速。連敗中は、複数失点に加え、8試合で得点がわずか2と深刻な得点力不足に陥っていた。攻守で献身的なプレーを発揮する鈴木の加入は、横浜FCにとって大きな戦力アップになる。カズは今季、48歳で3得点と活躍。18日の京都戦で負傷退場したが、来季は鈴木が、カズやチームのために「水を運ぶ人」になる。