川崎FのFW大久保嘉人(33)が今季23点目を決め、史上初の3年連続得点王に輝いた。0-0の後半35分、MFエウシーニョからのパスに右足を振り抜いた。出場停止だった前節を終え、得点ランク2位と3点差となり、タイトルを手中に収めていたが、鮮やかな決勝点で締めくくった。
大久保は練習し続けた右足アウトのシュートで、3年連続得点王に花を添えた。後半35分、低い弾道でゴール左上を狙い決勝点を奪い「練習通り。今季やっと思い通りのゴールができた」と自画自賛した。得点王争いが佳境の中、7日の前節浦和戦は出場停止。10月24日の横浜戦以来、約1カ月ぶりのリーグ戦でつかんだタイトルに「抜かれるか不安で寝られなかった。すごくホッとした」と本音がこぼれた。
プロ入り直後から得点に貪欲な姿勢は変わらない。「ゴール前ではオレによこせ」。10代のころから物おじせずに要求し、先輩のプレーがふがいないと見るや「試合に出るなよ」と活を入れた。「自分にプレッシャーをかけて結果を出すことで自信をつけていった。今もその気持ちは変わらない」と言う。
重圧の中で得点を積み上げる努力も続けてきた。10代のころから居残りでのシュート練習は納得いくまで続け、今も約1時間続ける。「練習することで安心する。ここまでやったら試合で外してもしょうがないと思えるから」。動きが研究されていると感じると「裏をかくのがやりがい」と練習でプレーの幅を広げた。
13年に川崎Fに加入し、3年間で67点を積み上げた。風間監督は「1年間を通じて練習できる体と精神力を持っている」と敬意を表した。夏場には右足親指の皮膚が硬化し「引退したいぐらいの痛み」と弱音を吐いたが「自分は骨折するまで休まない」と強行出場。逆に「練習で痛くない蹴り方を探してたら、いいぶれ球を見つけた。また1つ武器ができた」と、新たな発見に目を輝かせたほどだ。
広島FW佐藤が歴代最多の157得点に並んだが「だれが先に行こうが、行った人を目標にする。2人で記録を伸ばせたら」と話した。「これからも練習で自分の新しいスキルを見つけて伸ばしていきたい」。常に「名前を残したい」と口にするエースは、また新たな歴史に名を刻むべく、進化を誓っていた。【岩田千代巳】



