JFLヴァンラーレ八戸に入団した元日本代表のDF市川大祐(35)が19日、チームと合流した。市川はJ1清水などでプレーし、98年には現在も最年少記録の17歳322日で代表デビューを果たし、02年日韓W杯にも出場した。ヴァンラーレ八戸で日本代表はもちろん、J1に在籍した選手も初めての加入となる。今年悲願のJ3昇格を目指す八戸に、強力な援軍となる大物の新加入。地元も歓迎ムードに包まれた。

 市川は19日午前、フットサルアリーナ八戸で行われた練習に初参加。選手たちと対面し、あいさつした。午後は細越健太郎代表と八戸市内で会見に臨んだ後、小林眞市長を表敬訪問。入団を報告した。元日本代表の名サイドバックが、新天地でのスタートを切った。

 市川はJ1清水に98~2010年在籍。98年4月には17歳322日の国際Aマッチ最年少代表デビューを果たした。02年日韓W杯のチュニジア戦ではMF中田英寿のゴールをアシストした。その後数チームを経て昨年は元日本代表監督の岡田武史氏が率いる四国リーグ・FC今治に在籍した。

 会見で細越代表は「J3へ向けて大切な今年、経験豊富な市川選手に来ていただいた。チーム、地域にとって大きな力」と期待。市川は「八戸でプレーできることに感謝したい。青森県初のJリーグチーム誕生の力になりたい。若い選手が多いので自分の経験を言葉でもプレーでも伝えたい」と話した。

 八戸の印象について「八戸市当局が球団にとても協力的で、地元の人たちも町を挙げて応援していると聞く。町も人も元気にし、勇気を与えられる存在になりたい」という。チームでは「ピッチの上で練習態度や取り組む姿勢からアドバイスしたい」と厳しい側面ものぞかせた。

 静岡県静岡市(旧清水市)出身。望月一仁監督(58)はジュニアユース(中学)時代、指導を受けた間柄で「また一緒にプレーできるのはうれしい。監督の力になりたい」という。青森県では今季からラインメール青森もJFL昇格で、青森ダービーも激烈になりそう。市川は「コンディションをしっかり整えてシーズンに臨む」と表情を引き締めた。【北村宏平】