鹿島のU-23(23歳以下)日本代表候補FW鈴木優磨(19)が、開幕前最後の実戦で決勝点を挙げた。J2水戸戦に途中出場し、1-1の後半42分に決勝ヘッド。チームを2-1の勝利に導いた。8月のリオデジャネイロ五輪メンバー18人への逆転選出を狙う加入2年目の活躍で、今大会通算成績を10勝1分けとした。28日のJ1開幕戦はG大阪と対戦(吹田スタ)する。

 リオで輝く可能性を秘めた原石が、一撃で劣勢を覆した。格下のJ2相手に同点で迎えた後半42分、途中出場のFW鈴木が初シュートを決勝弾に結びつける。MF小笠原の右クロスにゴール正面で反応し、ダイビングヘッド。土壇場でネットを揺らし「(小笠原)満男さんが顔を上げた瞬間、相手(マーク)の前に入ることだけ考えた」。投入されてから11分後、恐れることなく頭から飛び込んだ。

 リラックスのため、初めて試合中にガムをかんでみた。得点後、口の中で動かしながら味方の祝福を受け「ガラは悪いけど、疲れなくなると聞いたので試してみた。でも反対に息が上がった感じがする…」。逆効果だったが、結果は出た。

 8月のリオ五輪を目指す加入2年目の19歳。手倉森ジャパンには昨年9月と11月に招集された。11月は左足関節の負傷で辞退も、最終予選の予備登録メンバー入り。それでも、先月のテレビ中継は「ゴールシーンくらいしか見てない」と言う。チームの宮崎キャンプと重なり「代表よりチームが最優先。鹿島で結果を出すことで周りの見る目も変わってくると思う」と集中した。

 その結果が、14日のJ2讃岐戦に続く2試合連続の決勝弾に表れた。好調を維持するが、チームには日本代表FW金崎がポルトガルから電撃復帰。仲のいい先輩に対し「遅れて合流してきたのに、すぐ試合に出る雰囲気になっていて納得いかない。簡単に開幕スタメンを渡さないためにも、こうやって結果を残していきたい」と強気に挑戦する。五輪イヤーの初戦となる28日のG大阪戦に向けて、常勝軍団の期待のホープが開幕から飛ばす。【木下淳】

 ◆鈴木優磨(すずき・ゆうま)1996年(平8)4月26日、千葉県銚子市生まれ。小学1年の時にサッカーを始め、鹿島ジュニアユースからユース。高校3年時のJユース杯で優勝した。14年に2種登録され15年にトップ昇格。同年9月12日G大阪戦でJ1デビュー戦ゴール。J1通算7試合2得点。利き足は右。180センチ、68キロ。血液型B。