日本代表FW宇佐美貴史(24=G大阪)の今夏の移籍先に、ドイツ1部アウクスブルクが有力候補に挙がっていることが5日、分かった。水面下で打診を受けたことが判明。今月中にもクラブ間交渉に入る可能性が高い。日本代表はこの日、明日7日のボスニア・ヘルツェゴビナとのキリン杯決勝へ、会場となる吹田Sで調整に臨んだ。2度目の欧州挑戦へ、宇佐美は2戦連発でアピールする。

 18年W杯のエース候補である宇佐美の移籍先としてアウクスブルクが有力となった。関係者によると、かつてMF細貝が在籍したドイツの中堅クラブ、アウクスブルクが交渉へ動きだしている。G大阪側は「聞いていない」と話したが、近日中にも正式オファーとなる可能性が高い。

 さらにフランス1部ナントやオランダ1部PSV、スイス1部のバーゼルも宇佐美を調査。中でもアウクスブルクは好条件を提示しているもようだ。今後新たに別のクラブが好条件の正式オファーを出す可能性もあるが、関係者によると、早い段階で獲得に前向きなアウクスブルクに「本人も好印象を抱いている」という。

 宇佐美は19歳で、今回のアウクスブルクと同じドイツのBミュンヘンに移籍し、ホッフェンハイムにも在籍したが、なかなか出場機会をつかむことができなかった。13年夏にはG大阪へ復帰。昨冬は欧州クラブから正式オファーを受けながらも残留を決意していた。

 G大阪では献身的な守備を求められ、最近は評価されつつある。G大阪長谷川監督も得点を決めた3日ブルガリア戦を見て「守備ができるようになっていた。本人が海外挑戦を望むなら背中を押す」と話す。7日のボスニア・ヘルツェゴビナ戦ではFW本田、MF香川が欠場するため、宇佐美が先発する可能性が浮上。この日は試合会場となるG大阪の本拠地、吹田Sで公式練習に臨んだ。2戦連発を決めて欧州移籍の夢を再びつかむ。

◆アウクスブルク ドイツ・バイエルン州アウクスブルクを本拠地としている。昨季はリーグ戦12位の中堅クラブで、かつてMF細貝が在籍した。11-12年シーズンに昇格。昨季で5シーズン目を迎えた。ドイツ1部での優勝経験はまだなく、最高順位は5位。