9年ぶり20勝一番乗り! J2札幌は熊本に1-0で勝利した。0-0の後半22分、DF福森晃斗(23)のシュートが相手オウンゴールを誘い先制。この1点を守りきり、前回J2優勝した07年以来のリーグ最速20勝に到達した。30戦20勝6分け4敗、勝ち点を66に伸ばし2位松本と9差、3位C大阪を12差と離した。次の公式戦は中1日で27日の天皇杯1回戦筑波大戦。リーグ戦は9月11日群馬戦まで中断となる。

 泥臭くても、チーム全員で点をもぎ取りにいく姿勢が、貴重な1点につながった。後半22分、主将のMF宮沢が右クロスを入れると、斜めに入ったボールに、ニアサイドでFW内村、ファーサイドで都倉が走り込んだ。ワンバウンド後に都倉がダイビングで飛び込むも頭には届かない。だが左大外から、DF福森が猛然と走り込んできた。

 腹トラップからの折り返しは熊本GK佐藤に当たってゴールへ。「中の内村さんか都倉さんにパスしようとしたがミスキック。幸いにGKに当たってくれたのが良かった」。記録はオウンゴールも、札幌のリーグ通算1100号、札幌ドーム250号のダブルメモリアル弾で先制し、この1点を堅実に守りきり、今季10度目の1-0勝ちで中断前最終戦を飾った。

 四方田監督は7月3日横浜FC戦から熊本戦までの11試合を夏のヤマ場ととらえ、選手にも「まず熊本戦まで、気を引き締めていこう」と伝えてきた。気温30度と酷暑の京都戦から中3日。疲れもたまり体も重く反応が遅れる中、オウンゴール1点で勝ちきる。決して美しくはないが指揮官は「内容は今季ホームで最悪。反省したい。でも、欲しかった勝ち点3を取れたことは満足」と及第点を与えた。

 中1日で天皇杯1回戦筑波大戦を控えるが、リーグ戦は、9月11日の群馬戦まで中16日、間隔が空く。福森は「もう1度基本に戻って。ここからは相手も分析してくるし、それ以上のものを出せるようにしないと」。ホーム8連勝で8月を締めた。ここでプチ充電し、再開後9、10、11月の“追い込み”につなげていく。【永野高輔】