新潟は鹿島に0-2で負け、今季ワーストタイの4連敗となった。クラブ創設20周年記念試合で勝ち点3を奪えなかった。後半3分にCKのこぼれ球を鹿島MF柴崎岳(24)に左足ボレーを放り込まれ、同45分にはFW金崎夢生(27)にPKを決められた。勝ち点27で年間順位15位のままだが、同16位の名古屋が仙台に勝ち、勝ち点差は1に縮められた。

 PKを後半45分に献上して決定的な2点目を決められると、一般客はピッチに背を向け、帰り始めた。試合終了を告げるホイッスルとともに、その人数は増えた。しかし、オレンジ色に膨張したゴール裏は応援歌「闘え新潟」を延々と続けた。「迷わず、恐れず、泥臭く。俺たちとともにゴールを奪え」という横断幕も掲げられた。

 0-0で迎えた後半3分。鹿島柴崎にCKからのクリアボールを左足ボレーで突き刺された。主将を務めるMF小林裕紀(27)は「スーパーシュートだったかも知れないが、それが入ってしまうところに甘さがある」と言った。

 鹿島戦は、クラブ創設20周年記念試合だった。「橙魂(とうこん)結集」をスローガンに観客動員へ、手段を講じてきた。創設当時の復刻ユニホーム付きのチケットを発売するなど、4万人の集客を目指してきた。実際は2万6202人だったが、選手の背中を押した。吉田達磨監督(42)は「ファイトするための力になった」と話した。

 しかし、結果にはつながらなかった。勝ち点差1で迫る16位名古屋の息遣いも聞こえてきた。「勝てない状況はしんどいが、練習するしかない」と小林は次節へ前を向いた。【涌井幹雄】